道は22日、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策の第4弾を発表した。▽第3波以降に備えた医療提供体制等の充実強化(1293億円)▽経済活動の継続と段階的拡大(2341億円)▽社会生活・文化活動の継続と安心の確保(43億円)―の3本を柱に、総額3677億円の補正予算案を編成。道の補正額としては過去最大規模で、開会中の第2回定例道議会の本会議に24日追加提案する。
12日に成立した国の第2次補正予算に対応した第4弾の補正は、融資枠を含めると対策規模は8771億円。第1~3弾を含めると予算額の累計は5088億円、対策規模は1兆2793億円となる。
柱の一つの「第3波以降―」では、患者受け入れの医療機関の感染拡大防止体制整備事業に253億円を計上。重点医療機関の病床確保に対する補助に507億円、社会福祉施設の感染症対策の補助として134億円を盛った。さらに第3波に備えた道立保健所の体制強化に3億6000万円を計上。感染症の最前線で働く医療従事者と介護従事者に慰労金(最大20万円)を支給(287億円)。また、医療従事者らに感謝品(道産品のカタログギフト)を贈る応援事業(3億6000万円)も、ふるさと納税を活用して集まった寄付金「エールを北の医療へ!」を原資に盛り込んだ。
「経済活動―」では、感染リスクに配慮した修学旅行誘致に取り組む事業者への支援として11億円を計上。バスの台数や宿泊部屋数の増加分の経費を支援する。また、交通事業者が発行する「プレミアム付き乗車券」を支援(10億円)。市町村が発行する「プレミアム付き商品券」に対しては、10%以内のプレミアム分を上乗せ支援(36億円)。北海道商店街振興組合連合会が実施する消費喚起に向けた販売促進活動に対する補助として5900万円を盛った。道産品の消費喚起のため、どさんこプラザや百貨店で利用可能な「プレミアム付き商品券」や、ネット通販での電子クーポン発行など特別割引事業として6億円を計上した。
「社会生活―」では、道立学校の感染症対策と学習の保障の両立に向けた取り組みに7億8000万円を盛り込んだほか、教員の業務負担軽減のため学習指導員を道内全学校へ配置(15億円)。感染拡大防止のため、中止となった部活動全国大会の代替大会への開催支援として4400万円を盛った。
3677億円の第4弾は、今年度一般会計補正予算案として24日の議会本会議に追加提案。26日から7月1日まで延べ4日間にわたり開催(27~28日休会)される予算特別委員会で集中審議される。
道の緊急対策「第4弾」の三つの柱と主な事業
【第3波以降に備えた医療提供体制等の充実強化(1293億円)】
▽検査・医療提供体制の充実強化(1004億円)
・医療機関、民間検査機関への検査機器整備支援
(1日最大1500人を1700人に拡大)
・抗原検査の自己負担額の公費負担
・保健所体制の強化(ICT活用など)
・重点医療機関の病床確保(病床単価増や休止病床支援)
・軽症者向けの宿泊療養施設の体制整備(道央圏除く5圏域)
・医療従事者への慰労金支給(最大20万円)
▽福祉施設等における事業継続の確保(289億円)
・社会福祉施設等を対象とした感染症対策に要する経費支援
・介護サービスの利用再開支援
・介護、障害福祉事業所従事者の慰労金支給(最大20万円)
【経済活動の継続と段階的拡大(2341億円)】
▽事業継続と就業機会の確保(2276億円)
・最大5年間据え置き、3年間実質無利子、保証料全額補助の制度融資の枠拡大
・漁協による資源維持、増加の取り組みを支援
▽地域や事業者が取り組む感染防止対策の促進(12億円)
・商店街における「新北海道スタイル」の実践とにぎわいの創出支援
・感染リスクに配慮した「教育(修学)旅行」の取り組み支援
▽域内の交流・消費環境の促進(52億円)
・プレミアム付き商品券などによる需要の喚起
・公共交通機関利用拡大に向けたプレミアム付き乗車券
・市町村と連携したプレミアム付き商品券
【社会生活・文化活動の継続と安心の確保(43億円)】
▽学校・公共施設の感染リスク低減(14億円)
・各道立学校の学校活動再開支援
・避難所における感染症対策物資の備蓄支援
▽学びと暮らしのセーフティネット(28億円)
・学習指導員の道内全学校への配置(私立は支援)
・低所得ひとり親世帯への給付金支給(1世帯5万円)
▽学校のICT利活用(1000万円)
・オンライン学習のモデル実証
▽文化・スポーツ活動への支援(4000万円)
・中止となった部活動全国大会の代替開催支援