苫小牧市立病院は17日、市議会厚生委員会(宇多春美委員長)で、東胆振唯一の感染症指定医療機関として2月から今月10日までに新型コロナウイルスの感染者18人を受け入れたことを明らかにした。新たな感染拡大防止策の一環で1日、発熱症状がある予約患者を対象とした「発熱待合」を院内1階に開設したことも報告した。
入院していた感染者18人には、石狩管内の患者も含まれるとみられるがすでに全員退院。このほか、同期間にPCR検査確定前の疑似症患者53人も受け入れたという。
同院は感染症病床4床を備えているが、2月下旬に最初の新型コロナ患者を受け入れた際、看護師の再配置などが必要となり一般病床22床を休止。その後も、道の要請を踏まえ、感染症病床を12床まで増床したのに伴い、既存9病棟(382床)中2病棟の一般病床計92床を休止している。
発熱待合は3密(密閉、密集、密接)を防ぐため、間隔を広く確保した待合室や個室の診察室などを備える。発熱症状がある予約患者と他の患者の動線を分けるため、予約を受けた診療科の医師が自ら同待合に赴き、診察する。
同待合のスペースには今月、患者サポートセンターが開設される予定だったが当面、延期する。
同病院は新規患者の受け入れ制限などで、4月の一般入院患者が前年同月比1203人減、外来患者も2484人減となった。入院・外来で総額1億1200万円の減収と試算。減収分は国の第2次補正予算の追加支援や、公営企業債発行などで補填(ほてん)する考えだ。