帝国データバンク札幌支店は、5月の道内企業の景気動向調査結果を発表した。新型コロナウイルスの影響が各業界でさらに拡大。景気DI(「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と回答した割合を引いた指標)は前月比0・9ポイント下降の27・5となり、8カ月連続で悪化した。過去最大の下落幅を記録した3月(8ポイント減)から4、5月と下げ幅は縮小しているものの、2カ月連続で30を下回った。
全国平均の景気DI(25・2)と比較すると、道内は2カ月連続で上回っている。
規模別の景気DIも、8カ月連続で全ての規模で悪化。大企業は最も下落幅が大きく前月比3・2ポイント減の26・5に。中小企業は0・4ポイント減の27・7となり、大企業が中小企業を下回った。中小企業のうち小規模企業は1・2ポイント減の29・7となった。
業界別の景気DIは9業界中、7業界で悪化。特に「サービス」は前月比2ポイント減の22・1まで下落。内容は飲食店が3カ月連続で10を下回っているほか、旅館・ホテル、娯楽サービスも2カ月連続で10を下回り、深刻さを増している。
また、「小売」も1・7ポイント下落して21・2となり、業界別では最低に。特に家具類小売りと、繊維・繊維製品・服飾品小売りが20を下回っている。
一方、「農・林・水産」(0・7ポイント増の30・3)と「金融」(2・9ポイント増の31・5)は前月から改善したものの、30台前半にとどまっている。
今後の景気DI見通しでは、「3カ月後」が30・2(前月調査27・3)、「6カ月後」が31・2(同28・2)、「1年後」が32・9(同31・8)と、3指標とも前月の見通しを上回ったが、いずれも低水準。景気回復のめどが立たない様子がうかがわれる。
企業側からは「全然商売にならない」(繊維・繊維製品・服飾品小売)などの悲痛なコメントや、さまざまな業界から「予測がつかない」「景気回復には相当の時間がかかる」などの声が上がっている。
調査は5月18~31日に、1130社を対象にインターネットで実施。596社から回答を得た(回答率52・7%)。
景気DIの推移
月別 北海道 全国
1月 42.4 41.9
2月 39.0 38.7
3月 31.0 32.5
4月 28.4 25.8
5月 27.5 25.2