厚真町観光協会で行う、町外者に胆振東部地震の被災現場を案内する「被災地ツアー」が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、7月までの予約が全てキャンセル、延期となった。同協会は、人数にして1000人ほどの来町を見込んでいただけに「影響は大きい」とため息をつく。
ツアーは、被災地視察や復興支援を目的に町を訪れる道内外の企業や団体に町を案内し、被災箇所を視察する、昨年度から本格的に行っている取り組み。昨年の実績で来町は81件、人数にしておよそ2100人に達していた。
同協会の原祐二事務局長は「今年は3月から4月にかけて人が入ってくるイメージでいて、予約までは至らなくても問い合わせは相応にあった」と説明する。コロナの感染拡大以降、ツアーのキャンセル、延期の申し出が相次ぎ、同協会によると、2月から5月末までに受けた企業、団体からのツアー予約15件が中止、または延期になった。6月には札幌や関西方面から中学生の研修旅行などの予約もあったが、いずれも今回の実施を見送ったという。
影響人数にして1000人ほどに及んでおり、「予約を受けたうち500人ほどは町内で弁当などの昼食を取る予定だった。中止になった影響は大きい」と嘆く。同協会は今後の状況を注視しながら、「違う形での対策も考えていきたい」としている。