苫小牧中央高に来年度、アイスホッケー部が13年ぶりに復活する。監督には、日本製紙クレインズの主力FWとして12シーズンにわたってプレーし、関東大学リーグの強豪、中央大チームでヘッドコーチも務めた実績を持つ腰越雅敬教諭(47)が就任する。現役選手時代や経歴、チーム結成後の目標を尋ねた。
―クレインズでの現役選手時代の思い出は。
いい先輩に恵まれ、いいことばかりの12年だった。ファンにも支えられながら、全力でプレーできた。悔いはないし、『やり切った』と言える現役時代を過ごすことができた。
―引退後は、飲食店経営にも当たった経歴について。
飲食店をやっていく中で、あらゆる職種の人と出会う機会があった。いろんな業界に挑戦したこれまでの人生では、いいことも悪いこともあった。失敗を含めた経験は、生徒に生の声として、リアルに伝えられると思う。
―教員を志すきっかけは。
札幌の星置ケッターズで小学生、中央大で学生を指導した経験が大きかったと思う。特に小学生に関わったことは大きな財産になっている。技術やチームを勝たせるためのコーチングに力を入れてきたけれど、これからは、社会に認められる生徒を育てていくことが第一の目標になる。
―中央高校の部活では、どんなチームを目指すか。
まずは地域に認められるチームになることが目標。アイスホッケーだけをやっていても実現しない。文化的な活動やボランティアなど、視野を広げる活動を通じて、プレーだけで体験できない社会の一面も見せていきたい。
―道東の氷都・釧路出身だが、もう一つの氷都・苫小牧でアイスホッケーの指導者を務めることにどんな思いがあるか。
これまで苫小牧に住むとは思っていなかった。高校卒業後に、苫小牧のアイスホッケーに関わってくれる人材を育てたい。そういう流れをつくっていけば、競技の底辺拡大につながると思う。
―選手指導の方針は。
クレインズ時代は、自分より大きな体の相手と対峙(たいじ)することが多かった。そういった場面に対応する技術やメンタル面を鍛える方法をしっかり教えていきたい。高校で土台を構築して、その後の大学や実社会で活躍できる「人間力」も養わせたい。
腰越雅敬(こしごえ・まさたか) 釧路市出身。釧路工業高校卒業後、1991年に十條製紙アイスホッケー部(当時)入り。日本製紙クレインズ時代までの12年間現役。2018年には教員免許を取得した。今年4月から学校法人原学園の共学高校、苫小牧中央高校に勤務している。