登別市は、18日に80代男性、19日に70代女性の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。同市在住の2人は同居家族で、いずれも軽症。胆振管内の指定医療機関に入院している。登別市での感染確認は初めての事例となり、市は手洗い、うがいなど感染予防の徹底を市民に改めて呼び掛けている。
市によると、無職の80代男性は今月13日に腹痛を訴え、14日に胆振管内の医療機関を受診した。15日に37・8度の発熱と呼吸苦の症状が出たため、別の医療機関を受診。肺炎の疑いで入院した。
18日に道が新型コロナウイルスの検査を実施したところ、陽性と判明。男性は管内の指定医療機関に転院し、治療を受けている。
一方、無職の70代女性は、80代男性の濃厚接触者で、18日に37・5度の発熱、せき、たんの症状が出たため、19日に道が検査したところ、陽性と判明。現在、管内の指定医療機関に入院し、治療を受けている。男性、女性ともに会話ができる状態という。
2人に海外渡航歴はなく、市は室蘭保健所と連携して行動歴や濃厚接触者について調べている。
市内で新型コロナ感染が初めて確認された18日夕、小笠原春一市長は緊急の記者会見を市役所で開き、「市民の皆さまには手洗い、うがい、せきエチケットの徹底と冷静な対応を重ねてお願いしたい」と要請。また「誰もが新型コロナに感染する可能性があり、不幸にも感染した市民に対し差別や偏見、心ない言葉などを厳に慎むようにしてほしい」と呼び掛けた。
新型コロナ感染者が道内で急増している事態を踏まえ、小笠原市長は「(温泉地を抱える)登別市の観光振興の面においても、感染者が増えていくのは憂慮すべきこと。宿泊施設などに対し感染防止策を強くお願いしていく」との考えを示した。