様似町のシンボルとなっているアポイ岳(810・5メートル)の山開きに合わせて登山口のアポイ山麓ファミリーパークがこのほどオープンした。町と町観光協会による安全祈願祭を行って、シーズン中の無事故と無災害を願った。
一帯がユネスコ世界ジオパークに認定されているアポイ岳は、4月末から5月上旬の大型連休ごろから本格的な登山シーズンを迎える。同岳は高山植物でも知られ、春から夏秋にかけてヒダカソウやエゾコウゾリナなど、固有種を含め貴重な高山植物が花開く。
昨年の登山者(登山入り口記帳)は8422人で前年比2割近く増加。山麓にはキャンプ場や遊具など家族がそろって楽しめるファミリーパークがあり、暖かくなると家族連れなどでにぎわう。
アポイ岳ジオパークビジターセンター横のアポイ山麓ファミリーパークで開かれた安全祈願祭は、坂下一幸町長や町観光協会の中村康則会長、浦河警察署、陸上自衛隊静内駐屯地、町商工会、アポイ岳ファンクラブ、ボランティアサークルなどから35人が出席。神事を行い、シーズン中の無事故を願った。
祈願祭の後、坂下町長は「アポイ岳はユネスコ世界ジオパークの再認定を受け、先月認定証が届いた。日高山脈襟裳岬国定公園の国立公園化も本格化し、調査でアポイ岳の植生は特に高い評価を受けており、国立公園の実現に期待したい」とあいさつした。