小中学校の児童生徒が着けるマスクを作って―と、白老町教育委員会の呼び掛けが町内で反響を呼んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が深刻化する中、新学期を前に1日から手作りマスクを募ったところ、善意を届ける町民が相次ぎ、これまでに600枚以上が寄せられた。町教委は支援の広がりに感激している。
町内の小中学校は7日に始業式、7、8日に入学式を行い、小中を合わせて771人が在籍している。新型コロナ対策で児童生徒のマスク着用が道教委から求められているものの、品薄で十分に確保できない家庭が少なくない。
国内で感染者が増え続け、学校でのマスク着用も長期に及ぶと予想される中、町教委は1日、手作りマスク提供を呼び掛ける活動を開始。町ホームページに掲載したり、公共施設や店舗にチラシを掲示したりして募ったところ、町教委や役場出張所の窓口に届ける町民が次々に現れた。
窓口は土曜と日曜日が休みのため、9日までの実質7日間に約20個人・団体から計620枚が寄せられ、中には苫小牧市民からの郵送もあったという。
同日は町内会連合会の吉岡喜代子副会長(70)が町内各小学校の児童に贈る手作りマスク100枚を持参し、白老小学校を訪問。同校の6年生児童が代表して受け取った。マスクは町連女性部の14人がタオル生地で作ったもので、吉岡さんは「材料のガーゼやゴムなども品薄。町外の店でやっと見つけ、女性部のみんなで作りました」と話した。「今後、中学生用の製作も考えたい」と言う。
児童生徒の安全を願う温かい善意に町教委も「これほど支援の輪が広がるとは」と感動。安藤尚志教育長は「子どもたちを新型コロナから守りたいという思いは本当にありがたい」と感謝する。
道内で感染者が再び増え始めるなど、長く続くウイルスとの戦いのため、町教委は「マスクの用意に苦慮する保護者は少なくなく、児童生徒の安心、安全な学校生活に向けて今後も協力してほしい」と話す。
受け付けは今月末まで続ける。窓口は白老コミセン内の教育委員会、虎杖浜、竹浦、萩野の各公民館にある役場出張所。問い合わせは白老町教委 電話0144(85)2022。