アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が出場予定だった女子アイスホッケー世界選手権(カナダ、ハリファクスなど)が、新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止となった。本来なら3月31日に開幕するはずだった最高峰の国際試合に向けた代表強化合宿は苫小牧で行われていた。シーズンオフを迎えたメンバーは来季に目指すことになった五輪出場切符獲得へ気持ちを切り替えている。
同選手権は、日本(世界ランキング6位)をはじめ、米国(同1位)、カナダ(同2位)、ドイツ(同9位)など前回の残留、下部からの昇格を果たした計10チームが出場する予定だった。2022年に10チームで競う北京冬季五輪出場権が懸かっており、選手権の結果を受けて改訂されるランキング上位6位までが五輪切符を獲得。開催国の中国を除く残り3枠は最終予選で決定する予定だった。
新型コロナの影響を受け、今月4、5、7日に代表強化の目的を兼ねて新横浜に女子2強を招いて開催予定だった「米国・カナダ選抜国際マッチ」が中止となったのに続き、国際アイスホッケー連盟が7日に世界選手権中止をアナウンスした。
代表は情勢を見ながら国内最終合宿を2月24日~3月6日に苫小牧で感染予防策として一般公開はもちろん報道陣もシャットアウトして実施。この間に予定した男子高校生との練習試合も中止となり、氷上でのスキルアップや陸上トレーニングなど個々の課題に向き合う内容で進めざるを得なかった。
FW米山知奈(道路建設ペリグリン)はこの間を「体調やメンタルのコントロールに集中して練習に臨んだ」として「試合中に起こり得るトラブルの想定、対処を選手間で話し合っていたこともあり、落ち着いて練習できたと思う」と振り返る。
代表メンバーは早いシーズンオフを迎え、各チームでの活動からのリセットとなる状況。代表の飯塚祐司監督は「チームにとっては大きなチャレンジになるはずの大会がキャンセルになり、とても残念」と、大きな意気込みを受け止めながらの今季終幕を悔やんだ。「世の中の状況を考えたら当然の判断」としながらも「今後についての情報も届いていないため、まだ白紙の状態。そう遠くないうちに五輪予選などについて連絡があり次第、チームづくりの進め方を決めていきたい」と話す。
北京冬季五輪出場に向けて、仕切り直しとなる来季。代表の課題となっている得点力を高め、世界ランキング上昇も視野に入れなければならない。飯塚監督は「来季は世界選手権が開催されることを信じ、前向きに気持ちを切り替えて強化に励んでいく」と意気込み、米山も「中止は大変残念だが、日々変わる状況の中でも、私たちが今できること、やるべきことを考え、行動していきたい」と言う。