インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を活用して製作を進めていた国内最大となるハドロサウルス科の恐竜化石「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)の新しい全身復元骨格(レプリカ=複製品)がおおむね完成した。既存の物と合わせレプリカは2体となった。むかわ町はCFの返礼として7月に腕や足の部分に色を塗ってもらうイベントを行うほか、町民への一般公開を予定している。
新たに作ったレプリカは全身約8メートル、高さ約3・2メートル。穂別博物館の櫻井和彦館長によると、鉄骨の骨組みを内包するように組み立てたことで「(既存のレプリカより)本体の見た目をきっちりとさせた」という。やや前傾姿勢の既存レプリカに比べ、後ろ脚で体を支えて前脚を浮かせて高さを出すなど、より臨場感ある姿を再現した。
製作費は約1600万円。このうち、CFで334件1089万7500円の善意が寄せられた。製作は町が恐竜骨格標本を製造する専門業者「ゴビサポートジャパン」が請け負った。
作業は昨年9月から実施。今年3月末にほぼ完成したが、全国的な新型コロナウイルス感染の拡大を受けて、同時期に予定していたお披露目会のイベントなどを見合わせていた。このため町内の同穂別工場で8日午後、町のホームページなど広報向けに写真撮影が行われ、既存レプリカと合わせて2体が並んだ。
町恐竜ワールド戦略室によると、7月上旬にCFで1口15万円の寄付をした12組を招待し、レプリカの腕や足に色を付けてもらうイベントを開催。その後、町内の施設で一般公開するほか、既に出展の要請を受けている道内自治体にも貸し出す。