安平町の地域おこし協力隊員として、千葉県出身の鈴木宙夢(ひろむ)さん(24)が就任した。町の新たな遊びプロ推進員として遊びを通じた学びの輪を広げる。任期は来年3月末までだが、最長で3年の延長が可能。鈴木さんは「遊びと言ったらこの人。安平町でそんな存在になれたら」と希望を語る。
鈴木さんは法政大学で教育学や社会学を専攻。子どもの貧困について学びを深め、卒業後は島根県隠岐諸島の海士町(あまちょう)などでフリーライターとして活動し、社会問題などを取り上げてきた。
今回、応募するきっかけになったのは、学生時代に民間学童のアルバイトをしていた経験を踏まえ、「遊びは学びの要素としてかなり重要だ」と感じたことから。本州とは違った気候の変化や見慣れない標識などに驚くことがあると言うが、「安平町は、町を良くしようという思いを持った人が多くて魅力的」との印象を抱く。
現在は町教育委員会で行っている「遊育(ゆういく)推進事業」のパンフレット作成や関係機関へのあいさつ回りなど5月から活動を本格化させていくための準備をしている段階。自然の中での生き物探しや昆虫採取のほか、親子キャンプや遊びを通じたコミュニケーションの場を積極的に提供する構想を練っている。
鈴木さんは「安平町というフィールドにあるものを活用していきたい。自然で遊ぶ経験は都会ではないこと。それを生かした遊びを展開できたら」と笑顔を見せていた。