今春、むかわ町の穂別中学校に入学する池田晴輝君(12)が、中学硬式野球チーム「苫小牧中央ポニーリーグ」に入団した。チームには厚真町や千歳市の選手も加入しているが、穂別地区の選手がチームに入るのは初めて。地元にチームがない逆境に負けず、新天地での活躍を誓う。
池田君は、穂別小学校1年生時に地元の穂別ホッピーズで野球を始め、4年生まで在籍。その後チームがなくなり、5年生からは鵡川ジュニアファイターズでプレーした。しかし、人数不足などで主要な公式戦に出場する機会がないまま小学校生活を終え、中学校でも穂別中は昨年、公式戦にエントリーしていないことからそのまま野球をやめることも考えていたという。
そんな中、関係者を通じて苫中央ポニーリーグの存在を知り、体験練習に参加。練習場所が厚真町や比較的市内の東部地区であることはもちろん、「楽しそうだったから」と迷うことなく入団を決め、冬場のオフも送迎で片道1時間ほどかけて意欲的に足を運んだ。少数精鋭のチーム事情でもあることから内外野でノックを受けるほか、ピッチングもバッティングも精力的にこなす。「楽しいし、同年代の人がそろっているのでやりやすい。(硬式球を使うのが)最初は難しかったが、練習の中で慣れてきました」
170センチ、80キロの体格を生かした打撃が持ち味。苫中央ポニーリーグで指導する丹羽肇監督(53)は「体も大きいし、本人も一生懸命やっている」と評価。実戦の経験不足はどうしても否めないが、「うちは人数も少ないし、即戦力としてやってもらう」と期待する。
新型コロナウイルス感染拡大の状況も踏まえながらだが、当面は練習試合などを行い、ゴールデンウイークには公式大会を組んでいる。池田君は「人数が少ないので第一にけがをしないことだけれど、みんなで楽しく試合ができたら。楽しみと不安、半々くらいです」と笑顔を見せる。