2018年9月に発生した胆振東部地震で建物が全壊し、移転新築工事が行われていた、とまこまい広域農業協同組合の安平地区大豆集出荷貯蔵施設がこのほど、同町遠浅地区にある早来支所施設センター内に完成した。26日に竣工(しゅんこう)式・落成式があり、出席した組合や町役場関係者らが新たな農業用施設の誕生を祝った。
新しい施設は延べ床面積1600平方メートル。常温庫と低温庫などを配備し、管内畑作の基幹作物でもある大豆を通年で低温貯蔵することが可能となり、より品質を保つことができる。昨年7月に着工し、今月4日に完了した。
事業費総額は旧施設の解体費を含め約4億7000万円で、このうち事業費の半額に当たる約2億3500万円を国の「2018年度強い農業づくり事業」、約7600万円を町が補った。
竣工式には同組合や工事、町役場の関係者らおよそ40人が参列。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、内容を簡素化し、祝詞奏上や清めはらいの儀、玉串奉奠(ほうてん)などを執り行った。
落成式では、同組合の宮田広幸代表理事組合長が「製品の品質を保ち、実需者の信頼向上へ産地化に向けた拠点施設になる。より一層、米、小麦の流通発展につながることを期待している」とあいさつ。来賓の及川秀一郎町長は「貯蔵施設として再建できたことをうれしく思う。当施設が復興の象徴として生産者の活力になれば」と祝辞を寄せた。
また施設の設計・施工監理を行った朝日設計工房と、施工に携わった藤建設工業の代表者に同組合から感謝状、記念品が贈られた。