鶏卵製品や菓子製造販売のマザーズ(本社白老町、川上一弘社長)は、同町社台の白老本店隣接地で建設を進めた新店舗「マザーズ+(プラス)」の仮営業を20日から始める。卵の洗浄や選別、それを原料にした菓子作りまで一連の工程を見学できる農業6次化複合施設で、店内で製造した菓子など商品を販売する。4月10日にグランドオープンを予定している。
「マザーズ+」は木造一部鉄骨造り2階建て、延べ面積891平方メートル。鶏舎をイメージした幅13メートル、奥行き65メートルの建物で、道産材をふんだんに使用した。近くに普通車50台分と大型バス3台分の駐車場も設けた。
店舗では、鶏卵を原料にした洋菓子や総菜などを製造販売するほか、同社の関連養鶏農場で生産した卵の洗浄、消毒、乾燥、選別、出荷までの機能も持たせる。その一連の作業風景を店内でガラス越しに見学できる設計とした。白老本店の菓子販売店「スイーツ館」を新店舗に移設させ、生卵をはじめ、人気のシュークリームやプリン、焼き菓子といったスイーツなど約20種の商品を並べる。
店舗には最新の卵選別機を導入し、試運転の後にグランドオープン。生産から加工、販売までの流れを見てもらい、1次産業への理解を深めてもらう。
また、白老本店の敷地3万3300平方メートル全体を「ヨコストランチ」と名付けて整備。鶏の放し飼いスペースやサッカー場、イベントスペース、海を眺められる丘などを備えた広大な芝生広場を設け、来店客に開放する。牧歌的な雰囲気を楽しんでもらうグリーンツーリズムの機能を持つ広場とする考えで、同社は「地域密着型で運営し、楽しい空間を創造していきたい」と言う。
既存のレストラン「たまご館」は今後リニューアル。新店舗に移転後の旧スイーツ館は、同町石山の「白老和牛王国上村牧場」(上村篤正社長)が活用し、ファームレストラン「ウエムラ・ビヨンド」を6月27日に開設する予定だ。
店内に約40席を備え、上村牧場で生産した白老牛のステーキやハンバーグといった料理を提供する。オープンに向けて、5月以降に店舗の改修工事に取り掛かる予定で、上村社長は「白老牛をよりPRしたい」と話す。
マザーズは、白老町の北海道種鶏農場(川上一弘社長)が設立し、同町や苫小牧市、札幌市で菓子や卵を扱う店舗を運営している。