4月24日のアイヌ文化復興拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)開業に向けたJR白老駅周辺施設整備として、町が建設した同駅併設の自由通路が14日、供用開始された。ウポポイがある駅北側と、商店街を形成する駅南側の移動が容易になり、観光客の町内周遊の利便性を高めた。
町が7億6000万円を投じて整備した自由通路は、室蘭線の鉄路をまたぐ長さ60メートル、幅3メートルの全天候型施設で、24時間通行が可能。南口と北口にそれぞれ階段と17人乗りエレベーターを設置し、通路や階段に手すり、点字誘導ブロックも整備した。
同駅の上下線のホームをつなぐ跨(こ)線橋とも連結。ウポポイ営業日に合わせて開く臨時改札口を設け、列車を降りた観光客が駅舎内を通らず、直接ホームから自由通路へ行けるようにした。
同日正午に町職員が出入り口を開錠すると、開通を待ちわびた町民が次々に訪れ、真新しい施設の便利さを確かめるように通路を歩いた。
出来栄えを確認するため、足を運んだ町内会連合会会長の吉村智さん(74)は「立派な施設が完成した。多くの観光客や町民に利用され、白老の発展につながることを期待したい」と話した。