4月24日のアイヌ文化復興拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)開業に伴う観光客の受け入れに向け、JR北海道は14日から、3月のダイヤ改正で白老駅に特急列車の停車本数を上下12本から31本へ拡大させた。従来の「すずらん」に加え、「北斗」19本が同駅に停車するようになり、地元白老町はアクセス向上による観光振興に期待を寄せている。
特急列車の停車本数拡大は、年間100万人を目標に掲げるウポポイ来場者の交通利便性を高める措置。JR北は「北斗」停車に対応するため、ホームの長さや高さを改良する工事も行った。町が製作した歓迎の横断幕を張ったホームに午前8時49分、札幌行き「北斗」の1番列車が到着し、数人の乗客が乗降。町職員らがその様子を見守った。
JR北は同日から白老駅の副駅名を「ウポポイ 民族共生象徴空間前」とし、構内に副駅名標を設置。特急が白老駅に到着する前に、アイヌ語と日本語による車内アナウンスも始めた。また、改修した駅舎や、駅併設の自由通路と連結させた乗り換え跨(こ)線橋の供用も開始。自動ドアやLED(発光ダイオード)使用の列車発車標を設置し、アイヌ文様のデザインを施すなどリニューアルされた駅舎に利用者も目を見張った。
同日はJR北の島田修社長が白老駅を訪れ、戸田安彦町長の案内で、町が整備した自由通路など周辺整備の状況を視察した。北斗停車を受けて戸田町長は「待望の初停車の日を迎え、町民と共に喜びを分かち合いたい」とし、白老観光協会の福田茂穂会長も「ウポポイ来場100万人の目標達成への大きな一歩」と歓迎した。
一方、JR北は新型コロナウイルス対策で23日から列車の減便を始める。同駅に停まる特急は6便減、4月6日から23日までは9便減となる。