白老町消防本部は、聴覚・言語機能障害者用の「Net119緊急通報システム」を2020年度に導入する計画だ。会話が不自由な障害者がスマートフォンなど携帯端末を通じて消防本部へ円滑に通報できるシステムで、早ければ5月にも運用を開始する。
概要については、12日の町議会予算審査特別委員会で貮又聖規氏(みらい)らの質問に消防本部の担当者が答えた。
Net119は、言葉による通報が困難な聴覚・言語機能障害者に対応したシステム。急病や事故、火事などの際、所有するスマホなどGPS(全地球測位システム)付き携帯端末の専用アプリを操作すると、インターネットの文字情報で消防本部へ通報できる。消防本部はGPS機能で通報者の位置を把握し、文字情報で内容を即座に確認。円滑な緊急出動が可能になる。
システムの利用希望者は、消防本部への事前登録が必要となる。
Net119は全国の消防本部で導入が進みつつあり、障害者は居住地以外の地域でもシステムを利用できる。町消防本部は、聴覚・言語の障害のある町民にシステムを周知し「安全安心の環境づくりにつなげたい」と言う。