白老町議会定例会3月会議は10日、5会派の代表質問を行った。小西秀延(いぶき)、佐藤雄大(みらい)、西田祐子(きずな)、氏家裕治(公明)、森哲也(共産)の5氏が登壇。戸田安彦町長の3期目公約や2020年度町政執行方針を取り上げ、まちづくりへの姿勢をただした。主な質問と町の答弁は次の通り。
▽小西秀延氏
―3期目のまちづくりをどう進めるか。
町長「民族共生象徴空間(ウポポイ)を町内観光の起爆剤に位置付けながら、まちの魅力発信や関係人口の創出・拡大に努め、地方創生のさらなる推進につなげる。また、町民生活に密接した幅広い事業展開により、将来にわたり住み続けたいと思える生活満足度の高いまちを目指して取り組みたい」
―執行方針で示した観光コンテンツ造成事業をどう進めるか。
町長「地域DMO登録を目指す白老観光協会を中心に多様な観光ニーズに応える取り組みを進めたい。具体的には地域特性を生かした着地型観光プログラムや教育旅行の体験メニュー作り、観光客の町内回遊性を高めるための交流促進バス導入、ガイド人材育成、アイヌ文化を取り入れた商品開発などを推進していく」
▽佐藤雄大氏
―まちづくちの理念・多文化共生の取り組みと成果について。
町長「多様性と包摂性を兼ね備えた白老独自の多文化共生を理念に掲げ、その理解浸透に向けてシンボルマーク作成やシンポジウム開催、イランカラプテ(アイヌ語でこんにちは)あいさつの推進などに取り組んできたところ。また、アイヌ文様の巨大パッチワーク作りなど、多文化共生に関する町民主体の活動も見られ、理解浸透が徐々に進んでいると捉えている」
―関係人口の創出にどう取り組むか。
町長「町外の人に多彩な形でまちに関わってもらう関係人口は、町の第2期総合戦略の大きなキーワード。関係人口の創出が移住定住人口の増加に寄与すると期待される。町としても創出、拡大に向けた取り組みを推進したい」
▽西田祐子氏
―3期目の町政に臨む戸田町長の姿勢について。
町長「3期目公約に示した五つの『わ』を基本とした政策を展開する。町民の安心安全、健康づくり、子育て対策や教育環境の充実、ウポポイを生かした観光振興、地域コミュニティー活性化など町民生活に密着した事業を進め、誰もが幸せを実感できるふるさとづくりに取り組む」
―町立病院の医療体制と経営改善策について。
町長「現在の常勤医2人を早期に4人にすることに加え、近年、大学病院や他医療機関から専門医派遣を受ける機会が増えていることから、外来診療体制の充実に取り組む。また、病床機能については現在の急性期病床の一部を回復期病床へ転換し、入院患者数の安定確保とさらなる診療報酬加算を取得するなどして収支改善を図りたい」
▽氏家裕治氏
―ウポポイ開設を生かした経済活性化策について
町長「ウポポイ来場者が白老の食や自然、文化を楽しんだり、土産品を購入したりと、観光消費による経済循環を生み出すことが重要。観光インフォメーションセンターを拠点に情報発信できるよう準備を進めている。一方、来場者の食事に関してはウポポイや町内飲食店だけでは充足できないことも予想され、仕出し弁当の提供を含めた体制整備が課題」
―森林の環境整備と観光活用について。
町長「白老の行政面積の8割を占める森林については、適正管理とともに多くの町民らに癒やしの空間として親しまれてきたところ。特にレクリエーションの森のポロト自然休養林は、ウポポイ関連区域として一層の機能充実が期待される。自然との共生を基本に観光、文化活動との連携を図りながら森の活用方法を検討していく」
▽森哲也氏
―執行方針で示した高齢者福祉施策の具体策は。
町長「各種健康教室、介護予防サロン、住民主体の地域ふれあいサロンといった活動の充実を図るほか、疾病予防と重症化防止を目的には高齢者の保健指導に取り組む。また、生活支援コーディネーターを外部委託により導入し、高齢者の生活を支える体制づくりを進める」
―新型コロナ感染拡大による地域経済への影響は。
町長「宿泊業や運輸サービス業、飲食サービス業を中心に売上額が前年を下回るなど地域経済への影響が出ている。国や道が実施する支援制度の情報収集に努め、町ホームページの活用や関係機関との連携で制度の周知徹底を図る情報発信に取り組む」