むかわ町は新年度、胆振東部地震で被災した鵡川、穂別両地区の中心市街地に活気を取り戻すまちなかの再生事業を本格化させる。今月中に設立予定の「まちなか再生検討会」(仮称)で現状の課題や今後の考えを共有するほか、空き地などを活用したイベントなどを開催。にぎわいを取り戻すことで震災からの復興、地域活性化につなげる。
一昨年の地震により、鵡川地区では損壊した建物の解体が進み、それ以降、空き地が増えたことにより空洞化が顕著になっている。加えて仮設店舗の入居は3年間となっているのが現状。穂別地区でも旅館、スーパーなどが被害を受けた。
これを受けて両地区の中心市街地の再生に向けた計画の策定と、まちなかのにぎわい創出を進める。町産業振興課によると、同検討会のメンバー構成は商工業者や既存のまちづくり団体、また一般から募った鵡川と穂別の両地区からそれぞれ10人ずつの概ね20人を想定。ワークショップなどを取り入れた会議のほか、学習会を通じて住民の意見を吸い上げ、再生の方向性を確認する。
市街地に人を呼び込む「まちなか賑わい創出事業」では、住民と協働してメイン通りの花壇整備やペナント、フラッグを掲げるなどして町のイメージアップにつなげる景観づくりを展開。空き地を利用して復興イベントなどを積極的に開催することで町内外から多くの人を呼び込む。併せて町は4月以降、商工会や観光協会を交えた「まちなか復興賑わい創出事業実行委員会」(仮称)を立ち上げ、取り組みを推進させる考えだ。
町は新年度予算として2293万円を計上している。