白老町議会定例会3月会議が開会した9日、安藤尚志教育長は2020年度教育行政執行方針を示し、「ふるさとに誇りを持ち、多様性を尊重し、次代を主体的に切り開く人づくりを目標に学びの充実に取り組みたい」と述べた。
安藤教育長は、人口減少や少子高齢化、グローバル化や技術革新の進展といった変化の激しい社会において、「主体的に判断し、多様な人と協働しながら課題を解決する人材の育成が求められている」と強調。学校教育では、「子どもたちが未来のつくり手となるために必要な資質、能力を育むことや、より良い学校教育を通じてより良い社会をつくるという目標を学校、社会が共有することが重要」と述べた。
生涯学習については、「人生100年時代の到来を見据え、町民が主体的に学び続け、その学びの成果を享受するとともに、培った知識や経験を生かしてさまざまな活動に取り組んだり、さらに学びを深めたりする循環型学習の構築が大切だ」とした。
その上で20年度の学校教育と生涯学習の主要施策を説明。児童生徒の学力向上に関しては、「第3期白老町スタンダード計画を策定して確かな学力の定着を図るほか、全小中学校に学習指導員を配置し個々に応じた指導を行う」とした。また、郷土愛を育む教育活動として、地域の自然や歴史、文化などを学ぶ「白老未来学」を新設するとした。全小中学校で年2回、土曜授業「ふれあいふるさとDay」を実施し、地域住民と連携した教育活動を展開する方針も示した。
食育活動にも力を入れるとし、「家族への感謝の気持ちや食生活への関心を高めるために『子どもが作るお弁当の日』を年2回設ける」と説明。児童生徒が選んだ給食献立を提供する「リクエスト給食」も実施するとした。
この他、特別支援教育や道徳教育の充実、学校の危機管理マニュアルの点検・見直しといった施策を示した。
生涯学習では、地域活動に取り組む人材の育成に向けて「地域課題や学習ニーズを捉えた公民館講座を開設する」と説明。国指定史跡の白老仙台藩陣屋跡に関しては「早急に保存活用計画を立案し、整備構想や整備基本計画作りに着手したい」と述べた。
さらに芸術文化活動の推進、読書環境の整備、高齢者教育の充実、スポーツ振興などに取り組む考えを示した。