様似町議会定例会は5日、3月末で解散予定の町第三セクター・様似観光開発公社(資本金5000万円、社長・坂下一幸町長)が抱えている債務超過分の負債を町の支援で清算し、解消する2200万円の補助金を賛成多数で可決した。町が約6割、残りを町内事業所や個人が出資している公社の株券は解散により紙切れになる。
1971年設立の公社(町が59・56%出資)は、2007年に開設したアポイ山荘を当初から町の委託を受けて運営。ここ3年間はアポイ山荘の指定管理者として運営してきたが、抜本的な経営改善につながらず、3月末の指定管理者終了以降の町延期案は昨年12月の町議会で否決された。
公社は他の事業がないため、今月中旬に臨時株主総会を開き、解散を決める。
公社への2200万円の町支援は、今年度決算見込みで920万円ほどと試算する債務超過分や解散費用、公社の持つ事務機器や土産品など固定資産の町取得などに充てる。
公社社長でもある坂下町長は、町の支援は「債権者に影響が出るのを回避するため、迷惑を掛けたくない」と説明。最後となる今期3月決算は、売り上げが前年比1300万円減の1億9380万円で、当期利益は520万円ほど。昨年12月、町議会がこの3月までの公社の資金ショートを回避するため1500万円の支援策を可決しており、この分がなければ「実質損益は1000万円ほどの赤字になった」という。
2200万円の町補助については、議長を除く9人の議員中7人が賛成。反対議員からは「税金で損失分を負担するべきではない。公社で最大の努力をした後、残りを社長以下取締役と町議会が負担すべき」などの意見もあった。
4月からは新たな指定管理者として、札幌市の「湯らん銭」が運営する。