新型コロナウイルスの感染拡大が、厚真町の「被災地ツアー」にじわりと影を落としている。町外からの来町者に胆振東部地震で被災した現場を案内する事業で、厚真町観光協会によると、2月下旬から4月上旬までに受けた企業、団体のツアー予約が全てキャンセル。震災復興を後押しする取り組みとあって、今後の悩みの種となりそうだ。
同協会によると、4日までに受けたキャンセルの連絡は7件。人数にして280人ほどに及んだ。月別に見ていくと、2月末に見送りの一報が1件あったほか、今月も4件、4月上旬に予定していた2件もこの段階で取りやめの連絡があった。
被災地ツアーは、道内外の企業や団体が被災地視察や復興支援を目的に町を訪れる取り組み。同協会による昨年の実績でツアー申し込みは81件となり、人数にしておよそ2100人に達するという。
同協会の原祐二事務局長は「現時点で少なからず影響が出ているが、これが長期化すると、田んぼのオーナー事業など他のイベントにも及ぶのでは」とさらなる広がりを懸念。ただ、「問い合わせは来ている」とし、一刻も早い新型コロナ感染拡大の終息を願った。