冷凍コロッケ製造のサンマルコ食品(本社札幌市、藤井幸一社長)が進めていた恵庭工場=恵庭市戸磯=の増設工事が完了し、4日午前、北海道経済産業局の安藤保彦局長と原田裕恵庭市長ら来賓、関係者ら約90人が出席して竣工(しゅんこう)式を行った。神事と火入れ式で操業の安全を祈願した。
同社は札幌市厚別区に本社工場、恵庭市とオホーツク管内津別町、十勝管内浦幌町に工場を持つ。
札幌工場の老朽化(今年1月一時閉鎖)に加え、量販店、コンビニのPB商品の受注増加などで恵庭工場の冷凍コロッケ製造ラインを4ラインから6ラインに増設することを決定。2018年7月に着工し今年2月に完成。試験稼働を経て同日、本格稼働した。
恵庭工場は敷地面積約2万4000平方メートル。増設部分は鉄骨一部鉄筋コンクリート造り2階建て延べ4464平方メートル。箱詰めと積み出し作業をロボット導入で自動化した。排水処理施設も新たに建設し、旋回噴流式オゾン酸化法で汚泥を効率的に処理し発生を抑え、メンテナンスコストも低減。見学コースも新設した。総事業費は約40億円。
恵庭工場は津別工場とともに基幹工場。増設した2ラインのコロッケ製造能力は日産50万個、既存の4ラインを合わせた6ラインで日産150万個体制になる。
恵庭工場の従業員(パートを含む)は150人。増設に伴い新たに採用を予定する。
冷凍コロッケは北米、欧州、オーストラリア、東南アジアにも出荷。年商は90億円。同社は「今後の受注状況によっては本社と札幌工場の建て替えも検討する」としている。佐藤信弥常務取締役管理本部長は「交通アクセスの良さと恵庭市の企業支援施策」と恵庭工場の2ライン増設理由を話した。