サケのふるさと千歳水族館=千歳市花園2=は1日から入館者を対象にサケの稚魚放流体験を始めた。初日は雪が舞うあいにくの天気となったが観光客がサケの無事を願いながら旅立ちを見送った。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う道知事の「非常事態宣言」で外出自粛への協力呼び掛けもあって、この日の入館者は156人。このうち午前は23人、午後は28人が稚魚放流を体験した。
午前の放流体験では、参加者が学習室で担当職員から「北洋まで往復3万キロの長旅。早ければ3年後に千歳川に帰って来るが、魚や鳥などの外敵も多く、無事戻れるのは100匹に1匹」と説明を受け、採卵や放流、遡上(そじょう)までのサケの一生をスライドで学んだ。
この後、千歳川につながるせせらぎ水路に移動し、体長4~5センチの稚魚2匹が入ったコップを手に専用のといから放流、「元気で帰って来てね」と声を掛け見送った。
福岡市から家族4人で初めて訪れたという会社員の村上大智さん(35)は「命の誕生と大切さが学べ感動的。3年後の秋に訪れたい」と話していた。放流体験は5月31日まで。