白老町がJR白老駅北側の駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)に整備した観光インフォメーションセンターで、指定管理者の白老観光協会が4月1日のオープン準備を本格化させている。センターは、ポロト湖畔で同月24日開業の民族共生象徴空間(ウポポイ)と連動した地元観光情報の発信拠点。同協会の事務所機能も同町東町から移設し、ウポポイの経済波及効果の取り込みに向けた態勢づくりを急いでいる。
インフォメーションセンターは、木造平屋約520平方メートルの建物。外壁や内装などに木の素材をふんだんに生かした明るい雰囲気の造りだ。地元アイヌ文化伝承グループの協力を得て、内壁の一部にアイヌ文様のデザインを施し、伝統文化をアピールする工夫も取り入れた。
施設は▽白老町や胆振の特産品を中心とした物産販売コーナー▽飲食メニューの新商品PR・販売スペース▽サークル活動やアイヌ文化体験など多目的に利用できるコミュニティールーム▽観光スポット案内や体験型プログラムの手配など町内周遊の調整機能も備えたインフォメーションコーナー―などで構成。24時間対応型のトイレも併設した。スタッフは現在、同協会職員や地域おこし協力隊員の計9人で、必要に応じて増員する。
オープンに向けてスタッフらは、物産販売コーナーに300~350種ほど取りそろえる商品の選定や契約、新商品PR・販売スペースで提供する飲食メニューの準備に取り掛かっている。物産コーナーには地元産原材料などを使用して町内の事業所、団体が開発した土産用の食品や工芸品の商品も仕入れ、白老をアピールする。飲食メニューとしては、シカ肉を使った中華まん、アイヌ民族が利用した野草を原料にしたソフトクリームなどを考えているという。
インフォメーションコーナーには、中国とベトナムのスタッフを配置。さまざまな言語を翻訳できるタブレット型機器の導入や多言語観光案内パンフレットの製作など、外国人観光客にも対応できる態勢づくりを進めている。
同協会は体験型観光プログラムも取り入れた旅行商品の開発、販売も目指しており、「観光インフォメーションセンターを拠点に白老の観光振興を図りたい」としている。
ポロトミンタラ(面積1・5ヘクタール)は、ウポポイ開業を見据えて町が白老駅北広場の跡地に整備。インフォメーションセンターを核とした行政整備区域と、ホテルや飲食・物販用の民間活力導入区域で構成し、町はウポポイ来館者を含めて年間300万人の入り込みを目標にした観光戦略の拠点に位置付けている。