国内外から観光客を集客している登別温泉や白老町虎杖浜のホテルと、胆振各地の食品事業者による商談会が18日、登別市の第一滝本館で開かれた。胆振総合振興局が地域の観光と食の産業振興を図るために企画。白老で4月に開業する民族共生象徴空間(ウポポイ)の来館者などに胆振の食の魅力をアピールし、経済波及効果を取り込もうと、参加事業者が商談を繰り広げた。
年間来館者100万人を目標に掲げるウポポイのオープンで、国内外から白老や登別などに訪れる観光客が増えると見込まれる中、商談会は宿泊施設の魅力向上と食品事業者の販路拡大を狙いに開催。ホテルは登別温泉や白老町虎杖浜の11社、食品事業者は白老町、苫小牧市、厚真町、室蘭市など各地から19社が参加した。
会場で食品事業者は、農水産物の地元食材を使った自社商品をホテルのレストランや売店で扱ってもらおうと、担当者にアピール。ホテル側も胆振の食をセールスポイントにウポポイ来館者などの宿泊需要を取り込むため、熱心に商談を交わした。
国内有数の温泉地として知られる登別温泉をはじめ、虎杖浜地区のホテル業界もウポポイの経済波及効果に大きく期待。登別市はウポポイと登別温泉をつなぐ直通バス運行を計画するなど、温泉地への集客を地元自治体が後押しする動きもある。
販路拡大の好機を生かすため、商談会に参加した白老町竹浦のフォーレ白老は、自社生産シイタケやキクラゲなどをホテル側に売り込み、「ウポポイ開業は大きなチャンス。新たな商品の開発も進めたい」と意気込んだ。水産物加工食品の製造販売を手掛ける同町虎杖浜の渋谷水産も、土産商品の真空パック入り焼きたらこなどをアピール。苫小牧市のJファーム苫小牧工場は、生産している高糖度のミニトマトや葉物野菜、トマトジュースなどをPRし「商談会を契機に販路が広がれば」と期待を寄せた。
ホテル側の反応も上々で、白老町虎杖浜の温泉宿泊施設・心のリゾート海の別邸ふる川の担当者は「関心を引く商品もあり、宿泊客に提供する料理への活用を考えたい」と話した。
商談会の運営に当たった胆振総合振興局産業振興部の西谷真司さんは「ウポポイを意識した観光振興策を進める上で、室蘭やきとりフェアなど胆振の食材を使った企画もホテルに提案していきたい」と力を込めた。