錦大沼

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年2月14日

 厳しい寒さの日曜の朝、数十年ぶりに苫小牧市の錦大沼公園を訪ねた。ワカサギ釣りの様子を見たかった。午前8時すぎの公園駐車場は既に車が数十台。木々の間を数分歩けば、解禁エリアを示すロープで仕切られた錦大沼の氷上だ。釣り人は100人ほど。ぱっと見て玄人と分かる単独の人もいれば、仲間や家族連れも多い。はしゃぐ子どもの歓声がある。情景を写真で切り取れば、魚を釣り上げて喜ぶ笑顔やこんろで湯を沸かして飲むコーヒーに思わず緩む表情。伝わるのは、寒くてもほっこりとした穏やかな空気。

 沼は周囲に散策路が整備されている。雪の上にはシカやキツネ、もう少し小さい足跡もある。ウサギか、テンか。公園に行く途中、道路を素早く横断して街路樹を駆け上るエゾリスがいた。冬は一帯でエゾシカが頻繁に姿を見せる。

 50年近く前、錦大沼に通った。園路のない未整備の水辺で巨大魚が悠然と泳ぐ姿を見た。春だ。中国原産の魚がいるという話は聞いていた。大物を目撃すれば、子どもでも釣り上げたい衝動は抑えられない。自転車にさおを積んで何度も通ったが、結局ウグイが遊び相手。今はワカサギのエリアも含め釣りは規制がある。魚は命をつないでいるだろうか。管理スタッフに確かな情報はない。結氷した沼の周囲の散策路を歩きながら、魚影を見たあの日の興奮を思い出した。夢うつつのような昔話。

 雪解け後、沼を訪ねたい。(司)

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