2018年9月に発生した胆振東部地震をきっかけに町の復興や未来について考えようと、厚真町内に住む若者有志でつくる「イチカラ」が、中心部の空き店舗を使ってコミュニティースペースを開設する。「厚真町の未来を考える場にしたい」と希望を抱いており、3月8日のオープンを目指して準備を進めている。
イチカラは、町役場職員や漁業、林業などに携わる30代の男性5人が昨年8月に立ち上げた。震災発生から2カ月ほどたってメンバーが集まり、これからの町の在り方を考え始めたのがきっかけ。「厚真の未来について、みんなで話し合う場所、コミュニティースペースをつくろう」と話が膨らんだ。
場所は、京町にある10年ほどシャッターが閉まっていた空き店舗を利用。仕事の休憩がてら立ち寄れるようなフリーエリアのほか、調理で使えるような厨房(ちゅうぼう)を設置するほか、インターネット環境も整備する。改修費に充てる315万円はインターネットで資金調達するクラウドファンディングですでに集めた。現在はメンバーそれぞれが仕事の合間を縫って、家屋の木を使って椅子を作ったり、天井や壁の塗装をするなど作業に励んでいる。
オープン後は町が抱える課題について意見交換するイベントなども計画。まだ完成段階ではないものの、1月にはプレオープンイベントを開催したほか、今月21日には防災イベントも予定している。またフリーエリアでの飲食や懇談だけでなく、チャレンジキッチンや町内外の人たちが集まるイベントへの貸し出しなど幅広く活用してもらえれば―と構想を練っている。運営費用は施設の利用料で賄う。
代表を務める澤口研太郎さん(31)は「今後はいろんな人に知ってもらわなければいけない」とPR活動も積極的に行う方針。「町の話題が出たり、普段の悩みやアイデアが集まる空間を目指している。町内外のいろんな人が関われるイベントなども考えていきたい」と意気込みを語る。