白老港の2019年(1~12月)の取扱貨物量は122万6621トンとなり、前年の過去最高を更新した。移入では砂利・砂採掘跡の埋め戻し用土や製紙原料など、移出では紙製品や海岸保全工事用ブロックなどが伸び、貨物量全体を押し上げた。
白老町経済振興課港湾室のまとめによると、移入は前年比7万64トン増の36万9968トン、移出は6万2528トン減の85万6653トン。取扱貨物の全体量は、移入の伸びによって前年を7536トン上回り、最高値を記録した。
移入のうち最も取扱量が多いのは「鉱産品」で、前年比6万5721トン増の30万9612トンに上った。砂利・砂採掘跡の埋め戻しに使う改良土、製紙工場で使用する紙漂白用のライムストーンの移入が増えた。「軽工業品」は前年より約5倍増の1950トンとなり、製紙原料のウエットパルプが大きく伸びた。
また、町内の牧場牛舎で使う林産品のおが粉が5442トン。これまで取り扱いがなかった品目で、移入量全体を押し上げる要因の一つとなった。
移出では、主力の「鉱産品」の砂利・砂が前年比7万8956トン減の76万1884トンにとどまった。東日本大震災の復興や東京五輪関連の工事でこれまでコンクリート原料や路盤整備の骨材などとして引き合いが強かったものの、港湾室は「震災復興、五輪ともに工事が落ち着いたため、需要が減ったのではないか」と推測する。
一方、白老沖合の海岸保全工事で使用するコンクリートブロック類をはじめ、紙製品、工事用石材の移出が前年より増えた。
移入量の増加を背景に19年は過去最高の貨物量を記録。北海道地方港湾23港のうち、白老港は07年から18年まで12年連続で取扱貨物量トップを維持したが、19年についても引き続き1位となる見通し。港湾室は「海上輸送に関係する企業に働き掛け、白老港の利用促進に一層取り組みたい」としている。
内航の商船、漁船、作業船など総トン数5トン以上の船舶の入港実績に関しては、前年比99隻減の4155隻となった。500トン以上の船は530隻と前年より42隻増えたが、500トン未満が141隻減の3625隻にとどまった。