独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO、東京)が登別市登別東町3で移転新築工事を進めてきたJCHO登別病院の新施設はほぼ完成し、4月10日に開院する。現病院がある同市登別温泉町から、JR登別駅や国道36号に近い登別東町への移転により、病院利用の利便性が飛躍的に高まる。白老町虎杖浜・竹浦地区とも近距離にあり、地域住民からも歓迎の声が上がる。
整形外科や内科、脳神経内科、泌尿器科など7診療科を持つ登別病院は、1946年開業の登別整形外科診療所を前身とし、52年に厚生年金登別整形外科病院として登別温泉街近くの現在地に移転。登別厚生年金病院へ改称後、2014年から同機構が運営している。地域中核病院の役割を担ってきたが、施設の老朽化が進行。同機構は登別東町への移転を決め、総工費約32億円を投じて18年秋から建設工事を進めてきた。
新病院の敷地は約1万4000平方メートルで、建物は鉄筋コンクリート造り3階建て(延べ床面積7440平方メートル)。1階は外来診察室や検査室、レントゲン、薬局、給食調理室などを設け、2階は入院病棟とリハビリ室、3階は手術室や医局などを配置した。病棟とリハビリ室を同じフロアに設けることで、患者が円滑にリハビリ処置を受けやすくなるようにした。
病床数は現行より6床増の110床(一般病棟55床、回復期病棟55床)。現病院より病室を広くし、入院患者の快適性に配慮。診療科目は従来通り7科で、MRI(磁気共鳴画像装置)やCT(コンピューター断層撮影装置)など最新の検査機器を導入。2次救急病院として救急患者に対応するほか、整形外科関連に力を入れる病院として骨折など負傷の救急医療については365日24時間体制で患者を受け入れる。さらに訪問看護ステーションも備え、地域医療サービスを強化する。
病院施設はほぼ完成し、3月12日に新病院で関係者を集めた竣工(しゅんこう)式を行う。4月に現病院の入院患者を新病院へ移した後、同月10日から稼働、13日から外来診療を始める予定。同病院は「急性期、回復期の診療機能をより充実させ、地域医療に貢献していきたい」と言う。
一方、白老町虎杖浜・竹浦地区の近くに新病院が開設されるため、地域住民も一様に喜ぶ。虎杖浜第4町内会の桜井忠節会長(75)は「住民の高齢化が進む中、近くに大きな病院ができることは大歓迎。交通手段を持たない高齢者のために、通院に便利なバスを運行してもらえれば」と期待する。