白老町は、2020~24年度の5年を期間とした第4期地域福祉計画案をまとめた。少子高齢化の進展や地域コミニュティーの希薄化などに伴う福祉的な地域課題が顕在化する中、”支え合い”を基本理念に地域福祉のネットワーク構築など施策の方向性を示した。町社会福祉協議会の地域福祉実践計画との整合性を図りながら事業を展開し、誰もが安心、安全に暮らせる地域づくりを進める。
新計画は、15年度スタートの第3期が今年度で終了するすることから策定する。町民のニーズ把握や計画策定委員会の議論などを経て計画案をまとめた。
計画の基本理念は「思いやり、支え合い、みんなが元気で暮らせる健幸(けんこう)のまち」と掲げた。地域課題の解決に向けては、福祉サービスの受け手としてだけでなく、住民自らが地域福祉の担い手となる「自助」、さまざまな組織の力を生かす「互助」、公的制度を活用する「共助」、行政が地域福祉を支える「公助」の連携が重要とした。
計画の推進を図るため、(1)みんなで支え合う仕組みづくり(2)共生の人づくりとまちづくり(3)福祉サービス向上への仕組みづくり―の3本柱の基本目標を設定した。これに伴う施策展開の柱として、地域福祉ネットワークづくり、災害時に備えた地域支援体制の構築、切れ目のない子育て支援の強化、権利擁護体制の推進、生活困窮者等の生活保障と自立支援―など11項目を盛り込んだ。
白老町でも人口減少や少子高齢化、地域コミュニティーの希薄化、1人世帯の増加などを背景に、孤立化といったさまざまな地域課題が浮上している。また、高齢者の在宅介護や生活困窮など複合的な課題を抱える世帯への支援も求められている。こうした中で町は、20年度スタートの新総合計画や町社協の地域福祉実践計画との整合性を図りながら、第4期計画事業の具体化を図り「公的サービスの充実と住民相互の助け合い、支え合いの両輪で地域福祉を推進したい」としている。
町は今後、新計画案に対する住民意見(パブリックコメント)の結果や計画策定委員会の最終議論を経て正式に策定する。
第4期計画案の基本目標と施策展開の柱
■みんなで支え合う仕組みづくり
▽地域福祉を担う人材確保と資質向上
▽地域福祉ネットワークづくり
▽地域のつながり強化
▽災害時に備えた地域支援体制の構築
■共生の人づくりとまちづくり
▽ボランティア活動の推進
▽切れ目のない子育て支援の強化
▽ユニバーサルデザインとバリアフリー推進
■福祉サービス向上のための仕組みづくり
▽相談支援体制の強化・充実
▽権利擁護体制の推進
▽移動制約者への移動手段の確保
▽生活困窮者等の生活保障と自立支援