町民有志が巨大雪だるまを贈ったことがきっかけで安平町と友好関係を築く「ブラジル北海道文化福祉協会」の一行が29日、来町した。日系ブラジル人の家族ら16人が追分地区にある道の駅「あびらD51(デゴイチ)ステーション」や早来雪だるま郵便局(同町早来大町)を巡り、蒸気機関車(SL)や母国では見られない町の雪景色に感激した様子だった。
安平町とブラジルの交流は、2008年の日本人ブラジル移住100周年の際に、町民有志がサンパウロ市に巨大な雪だるまをプレゼントしたのが始まり。胆振東部地震の際には、ブラジルに在住する道内出身の移民や子孫で組織する団体から安平町に義援金が寄せられた。昨年8月には町民有志が道民のブラジル移住100周年に合わせて、同国に巨大雪だるまをプレゼントしたほか、及川秀一郎町長らが現地に出向いていた。
今回は27日に行われたブラジルと北海道の交流を担う「北海道日伯協会」の創立30周年記念式典に合わせて来道。一行は道の駅内の鉄道資料館を見学し、SL「D51―320号機」を目の当たりに。8年ぶりの来町となった同協会の平野オストン副会長(48)は「びっくりしたし、すごく感動した。安平町は来なければならない場所になった」と目を丸くした。
この後の早来雪だるま郵便局では、雪だるまのモニュメントと写真を撮ったり、子どもたちが雪だるまをつくって遊ぶなど、初めて見る雪に目を輝かせていた。サンパウロ市に住む日系3世の池尻直美さん(28)は「こんなにいっぱいの雪を見るのは初めてだけど、本当にすごい。足下がフワフワしていますね」と声を弾ませていた。