あすをもって「千歳民報」が休刊する。当方は千歳で2年半、恵庭で6年半、勤務した。昨年10月に苫小牧に異動し、最後の号に携われない身だが、特に恵庭での思い出を通して、地域への感謝やおわびの気持ちを、記者個人として伝えたい。
千歳民報が創刊50年を迎えた2013年、恵庭の記事を一つの面に集約する「みんぽう恵庭」を始めた。恵庭市は読書や花など特色を生かしたまちづくりを展開し、人口増の継続が示す通り可能性に満ちた自治体。だが読者の増加にはなかなかつながらず、期待に応えられない結果となった。企画立案した者として無念だ。
一方で情報の提供や取材の依頼などはひっきりなしで、取り上げる話題に困ることはなかった。市民活動団体など多くの市民に、連載コラムも無報酬で執筆していただいた。当方はあくまでも報道の立場として一線を引き、時には対象者にとって耳の痛い記事も掲載したが、自分なりに使命感を持って地域で共に歩み、情報を発信できたことは、掛け替えのない財産になった。
千歳民報を頼りにしてくれた方々、地域で果たすべく報道の役割を考えた時、休刊には申し訳ない思いばかりだ。せめて廃刊ではなく休刊とした言葉に魂が宿ることを信じ、千歳や恵庭の発展に微力ながらでも関わっていくためにも、引き続き報道の仕事に向き合おうと思っている。(金)