白老町の子育て講座が25日、町総合保健福祉センターで開かれた。同町の家庭教育支援員を務める野口良行さん(82)が講師となり、参加した育児中の母親に子育てのポイントを助言した。
地元や苫小牧市、登別市、札幌市から39人が参加した講座で野口さんは、「子どもは愛と自由によって花開く」をテーマに講演。自己肯定感や共感力、意思決定力といった心の基本形について「乳幼児期の穏やかな環境と養育者の愛情によって育まれる」とし、乳幼児期の適切な養育の重要性を強調した。
しつけに関して「青少年犯罪は親の愛情欠落が原因。親の愛情こそがしつけの基礎となる」と述べ、「子どもは親の姿をまねるということも意識して」と呼び掛けた。また、子どもを育む行為については「健全な脳を育てる営みである」とし、「暴力や暴言、放任など虐待行為によって子どもの脳は傷つき、変形や萎縮も起きてしまう」と不適切な療育の問題点を指摘した。
町内在住の野口さんは元小学校教員で、「子どもの成長と発達の原理・原則」をテーマにした論文などを各種研究会や教育雑誌、新聞などで発表し、講演活動も続けている。