白老港を会場に毎年夏に開かれていた「しらおい港まつり」について、実行委員会(熊谷威二委員長)は今年から開催せず、中止することを決めた。メインイベントの花火大会の協賛金確保が難しくなり、会場の港湾区域が海岸保全工事のブロック製作ヤードに使用されているため、来場者駐車場の開設も厳しくなったことなどが理由という。
まつりの中止は、町や商工会、観光協会、港湾振興会などで構成する実行委が23日に町内で開いた会議で決めた。4月の民族共生象徴空間(ウポポイ)開業に合わせ、町や関係機関が8月にかけて駅北観光商業ゾーンで展開するロングランイベントと同時進行的に、港まつりの準備や開催に当たることが難しいという判断も理由とした。
しらおい港まつりは1998年、港まち白老をアピールする夏のイベントとしてスタート。花火大会や伝統芸能・虎杖浜越後踊り、しらおい元気まち踊りパレード、アイヌ伝統舞踊のステージなどさまざまなプログラムを用意し、町内外から大勢の来場者を集めた。21回目となった昨年7月27、28日開催のまつりでは2日間で3万5000人が来場し、大小5000発の打ち上げ花火などを楽しんだ。
実行委は今後、関係者に中止を伝える通知書を発送。実行委も解散し、残貯金を町に指定寄付し商工振興基金に積み立てる。長年親しまれてきた港まつりの廃止について熊谷実行委員長(町商工会会長)は「多くの人に喜ばれてきたイベントではあるが、さまざまな事情でやめざるを得なくなったことは残念」と話している。