厚真町では、町全体の人口減少が進む一方で、14歳以下の「年少人口」がわずかながら増加に転じる不思議な現象が起きている。2019年10月1日現在の人口は、15年の4720人から自然減などで160人ほど減っているが、年少人口は14年に比べ70人ほど増加した。町で進めている子育て支援の拡充などが少しずつ実を結んでいる格好だ。
町がまとめた14年以降の人口統計(各年10月1日現在)を見ると、15年まで4700人超で推移していたが、16年に4681人に。その後も緩やかな右肩下がりは続き、昨年は4559人と4600人を割った。
その一方、14歳以下の「年少人口」は14年の503人から右肩上がり。昨年は577人まで増え、このうち459人が小学生以下に当たる11歳以下だった。
町民福祉課によると、その背景として子育て世帯の町外からの移住拡大を挙げる。町では現在、移住者向けに厚真、上厚真地区合わせて20戸の子育て支援住宅を整備するなど、受け入れ環境を整えてきた。また、高速道路や空港、フェリーへのアクセスも良く、雪が少ない土地柄などもあることから、町外で働きながら町内に住居を構える人が増えたといい、同課の担当者は「ここ1、2年でさらに増えるだろう」と予想を立てる。
ただ、「その後は出生数は減る」とも分析。今後は教育委員会など他部署とも連携しながら体験事業、支援事業などを充実させ、「今の子どもたちが成長して大人になった時に、厚真町に戻ってくるような流れをつくれれば」と話している。