2019年度全国高校総合体育大会第69回全国高校アイスホッケー競技選手権大会は24日、帯広市帯広の森アイスアリーナ・第2アリーナでトーナメント2回戦を行っている。同日午前には大会連覇の懸かる駒大苫小牧が登場。苫小牧工業を11―0で下し、初陣を飾った。また、水戸啓明(茨城)が5―1で日光明峰(栃木)を下した。【帯広市、北畠授】
また23日の1回戦で軽井沢(長野)に快勝した苫東は、24日午後に慶應義塾(神奈川)と2回戦で激突した。
▽2回戦
駒大苫小牧11―0苫小牧工業
▽得点者【駒】鎌田、中島、今(小金澤、森田)橋本(高木、上山)森田(今、中島)佐々中(三浦、大久保)山口(米津)大久保(鎌田、三浦)山口(橋本、中島)鎌田(中島)橋本(中島、小金澤)▽GK【駒】石川、梯【工】岡本
水戸啓明,5,,2-12-01-0,,1,日光明峰
23日
▽1回戦
苫小牧東9―3軽井沢
▽得点者【東】芹田(斉藤、仲見)仲見(及川)小形(斉藤、金井)仲見(芹田、小野寺)角丸(斉藤、塚本)小野寺(出口、遅塚)小形(角丸、及川)塚本(金井、角丸)金井(小形、角丸)【軽】南山(中野)中野(南山、中村)中野(南山)▽GK【東】中野【軽】三邨
慶應義塾6―2早稲田実業(東京)
関大第一(大阪)9―5帯広工業
八戸工大一(青森)24―0龍谷富山
光泉(滋賀)11―1八戸工業(青森)
埼玉栄11―1八戸商業(青森)
釧路江南21―0明大中野(東京)
武相(神奈川)5―0岩手
東北(宮城)10―1八戸(青森)
―苫東GK中野、けが乗り越え奮闘
苫東唯一のGK中野(2年)が、腰のけがを乗り越え大舞台の氷上に立っている。「まだ絶好調とは言えない」としながらも、大事な23日の初戦で勝利に貢献。負ければ後がない緊張感のある試合を重ねながら、感覚を懸命に取り戻している。
新チーム結成時から1人でゴール守ってきた。昨夏から腰に痛みを覚えるようになり、その後も各種大会に出場するも、昨年10月の南大会後に脊椎分離症と判明した。
一時は車いすを使用するほどの状態だった。昨年12月の道大会では大事を取って1回戦は出場を回避。苫工業との2回戦で先発したが、思うように体は動かずチームを勝利に導くことはできなかった。
さらに今月上旬の練習試合中に痛みが増し、再び十数日ほど安静。懸命な治療のかいあって、本番1週間にようやく氷上練習に復帰していた。チームスローガンの「堅守速攻」には欠かせない扇の要。勝ち上がるごとに対戦校の実力は増す。「ここからが本番。今できることを全力でしたい」と闘志をたぎらせる。
―苫工、チーム支えた2人の3年生
苫工は道大会準決勝(0―6)以来、約1カ月ぶりに駒大苫との再戦の機会を得た。23日に全国1勝を挙げた勢いそのままに、初陣の相手を追い詰めたかったが「少しの隙もなかった」(武部主将)と連覇を狙う強豪は、想像以上に成長していた。2桁失点で完封負け。道3位の苫工が競技2日目で姿を消した。
部員17人中、3年生は共に同校出身の兄を持つ武部主将と四方副主将しかいなかった。「まず率先してやって見せて、嫌われ役になりながら若いチームを引っ張ってくれた」と小野崎監督はたたえる。
「先輩や後輩たちの助けがあったから、3年間やり通せた」と四方は感謝を口にする。武部は「後輩に厳しく当たったこともあったけど、最後は自分を頼ってパックを集めてくれた。やってきたことは間違ってなかった」と涙をこらえながら胸を張った。
新チームは2年生守護神の岡本をはじめ、攻守に役者がそろう。四方は「私立校に勝つくらい強くなって」とエール。武部は「きょうの悔しい思いを忘れず、またインターハイに戻ってきてほしい」と期待していた。