白老町は、2020年度スタートの第6次総合計画の素案をまとめた。27年度までの8年を期間としたまちづくりの最上位計画で、生活環境や経済産業など5分野の施策の方向性を示したほか、持続可能なまちを目指し「人口減少抑制」と「地域経済活性化」を重点プロジェクトに掲げた。町は素案に関する今月下旬の町民説明会や3月の審議会答申を経て計画を固め、6月に議会承認を得て運用を開始する方針だ。

　総合計画は、まちの将来像と目標人口、施策の体系を定めた「基本構想」、分野別施策の目標や基本事業を示した「基本計画」で構成。それに基づく3年間の「実施計画」を作り、事業を具体化する。第6次では、「共に築く希望の未来　しあわせ感じる元気まち」を将来像とし、人口減少を前提に計画最終年次の27年度の目標人口を現在より3000人ほど少ない1万3815人と設定。まちづくりの基本方針として▽生活環境▽健康福祉▽教育文化▽経済産業▽地域自治―の5分野を立てた。

　目標の実現を図る基本計画では5分野31施策を定め、それに基づく104の基本事業を盛り込んだ。基本事業としては、生活環境分野で防災強化や上下水道の安定供給、健康福祉分野では介護予防や健康づくり事業の推進、教育文化分野では学校教育や生涯学習機会の充実、経済産業分野では商港区の利用促進や魅力ある観光地形成―といった方向性を示した。

　基本計画には、人口減少抑制と地域経済活性化の二つの重点プロジェクトも掲げ、子育て支援強化や安全安心の住環境形成、民族共生象徴空間（ウポポイ）を生かした観光振興と交流人口拡大―など八つの施策と主な事業を盛り込んだ。人口減少抑制プロジェクトでは、昨年の町民意識調査で54％程度だった定住意向を計画期間内に70％へ上昇させ、年間の移住者数も昨年の31人から期間内に40人へ引き上げる目標値も定めた。

　町にとって最大の課題は人口減少問題。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、従来のペースならば同町の人口が25年後の2045年に7646人、40年後の60年には3810人にまで落ち込むとされている。このため、経済活動や町財政の縮小、地域コミュニティー衰退などを招きかねない人口減を抑制し、持続可能なまちへの道筋を付けることが新総合計画の重要ポイント。町は施策の展開により、45年は8601人、60年は6122人と、同研究所の推計を上回る将来人口を目指すことにしている。

　計画素案の町民説明会は28日に竹浦コミセン、29日に萩野公民館、30日に白老町コミセンで開催する。時間はいずれも午後6時半から8時。また、町は今月末から2月末にかけて、素案に対する意見公募（パブリックコメント）を実施する。