胆振東部地震で被災し、解体が決まっている安平町追分若草の町営住宅でアスベスト(石綿)が使用されていた問題で、町は2月末までをめどに除去作業を進めている。除去作業終了後に解体工事を行う。
アスベストの除去は、作業場所を二重のシートで覆い、セキュリティーゾーンを設置。作業者に対しても保護服やマスクを着用させ、さらに服に付いた粉じんの漏出を防ぐため、洗浄室を設けるなど飛散防止対策を徹底している。
町営住宅は鉄筋コンクリートの4階建て(延べ床面積1244平方メートル)で居室は全16戸。アスベストが見つかったのは煙突用断熱材と外壁など。いずれも露出はしていないが、アスベストは空中に飛散しやすく、吸入すると肺がんや悪性中皮腫などの健康被害を及ぼすこともあるとされている。一昨年9月の地震発生前に入居していた6世帯10人について、健康被害などは出ていないという。
町営住宅のアスベスト問題については、昨年末に行われた町議会定例会の一般質問でも取り上げられたが、この際に町は「影響は出ない」としており、徹底した管理と住民説明会を通じて理解を呼び掛けている。