ゲームに時間を浪費し勉学がおろそかになる、いじめの道具になることもある―など、子どものスマートフォン使用は、家庭にとっても難しい問題だ。
香川県議会が、子どものスマホなどの使用時間を制限する条例の素案をまとめたそうだ。報道によると、名称は「県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」。依存症を「ネット・ゲームにのめり込むことにより、日常生活または社会生活に支障が生じている状態」と定義し脱却を目指すそうだ。
素案では18歳未満の子どものスマホやパソコン、ゲーム機の使用時間を、平日は1日60分、休日は90分までとし、中学生以下は午後9時までに、それ以外は午後10時までにやめさせる―と規定している。2月の県議会に提案し、4月からの施行を目指すという。制定されれば全国で初めて―と県の説明。罰則がないとはいえ、こういう部分に条例がぬ~っと入ってくるのはどうも落ち着かない。「条例を守りなさい」と指示する親が現れたらこっけいな気もする。
テレビばっかり見て―と叱られて育った。テレビが視聴する者を愚かにしていると批評され始めたのは1957年のこととか。「一億総白痴化」という差別的な言葉を覚えている。新しい機械の魔力に捕らわれた経験があり、今も楽しむゲームがある。香川県議会がどんな結論を出すか。スマホやゲームに時間を献上しているのは子どもばかりではあるまい。(水)