厚真町の軽舞遺跡調査整理事務所(旧軽舞小学校)に、1964年東京五輪の記録などをまとめたフィルムと72年札幌五輪の聖火リレーで使われたトーチが保管されている。近代五輪の誕生や歴史、当時の東京五輪の様子などが分かる貴重な資料だ。6月には東京五輪・パラリンピックの聖火リレーが開催されることもあり、町は「住民の機運が高まるきっかけになれば」と期待する。
町教育委員会によると、フィルムは旧幌里小学校から寄贈を受けたもの。解説する冊子も付いている。フィルムは五輪誕生の経緯や、64年東京五輪で行われた競技や施設の紹介、また当時のハイライトを振り返るなどの内容で、「テレビもそこまで普及しておらず、競技そのものも分からなかった時代と推察できる」と町教委は話す。
この頃の授業では冊子の解説を基にし、投影機を使ってフィルムをスクリーンに映し出す手法を用いていたと見られ、「手作り感があって、テレビで見るより面白いかもしれない」と言う。このほかに札幌五輪の聖火リレーで使用された金属製のトーチ2基も保管している。
厚真町では、役場前からあつまスタードームまでの道のりが聖火リレーのコースになっており、町は現在サポートランナーも募集中。町教委学芸員の乾哲也さん(47)は「当時の資料を紹介できるような企画を検討したい。五輪を開催する意味、平和の尊さが身に染みるのでは」と話している。
同事務所は、平日の午前9時から午後5時まで開館している。