アイスホッケー・アジアリーグは13日、苫小牧市若草町の白鳥王子アイスアリーナで1試合が行われた。ホーム最終戦となった王子イーグルスは栃木日光アイスバックスと対戦。2―3で惜しくも敗れ、ホーム最終戦を白星で飾ることはできなかった。
会場では11、12日に引き続き「白鳥王子アイスアリーナ感謝祭」と銘打ちイベントが開催された。1階イーグルスベンチ側ゴール裏の「氷かぶり席」の招待や記念フェイスオフ体験が行われたほか、試合終了後には「氷上交流会」も行われた。100人以上のファンがリンク上で選手たちと交流し、リーグ最終盤を迎えてこれからアウェーの試合が続く選手たちにエールを送る姿などが見受けられた。
観客数はこの3連戦いずれも1500人以上を記録。イーグルスの奮闘を支えようと、選手たちに熱い声援を送った。
王子の次戦は韓国勢となる。18、19、21日に韓国高陽でデミョンキラーホエールズと、23、25、26日に韓国安養でアニャンハルラと対戦する。
▽苫小牧(3勝3敗)
栃木日光アイスバックス3―2王子イーグルス
▽得点者【日】岩本(坂田、彦坂)齊藤(鈴木雄)鈴木健(古橋、鈴木雄)【王】髙木(越後、今)高橋(橋本、中島)▽GK【日】福藤【王】マッキンタイア▽シュート数【日】20本【王】37本▽反則【日】6分【王】8分▽パワープレー得点【日】1【王】0▽キルプレー得点【日】0【王】0▽観客1503人
王子は逆転負けを喫した。第1ピリオドに王子FW髙木のゴールで先制すると、すぐさま日光はFW岩本、齊藤がゴールネットを揺らしてリードを奪った。王子は第2ピリオドにFW高橋がリバウンドを押し込み同点に追い付くも、再びリードされる展開に。最後は王子が6人攻撃を仕掛けたが、日光の堅守を崩せなかった。
チーム 試合 勝 負 勝点
(1)サハリン(ロシア) 29 22 7 68
―以上、プレーオフ進出決定
(2)アニャンハルラ(韓国) 28 21 7 61
(3)王子イーグルス 28 18 10 50
(4)デミョンキラーホエールズ(韓国)27 12 15 35
(5)ひがし北海道クレインズ 26 11 15 34
(6)栃木日光アイスバックス 27 11 16 33
(7)東北フリーブレイズ 27 1 26 7
※19―20シーズンは4位までプレーオフに進出。東北はプレーオフ進出の可能性は消滅。
―好機生かし切れず
最後の最後までゴールを狙って戦い抜いた王子だが、栃木日光の堅い守備に屈し、苫小牧最終戦を勝ち切れなかった。菅原宣宏監督は「(相手の)バックスも必死になって戦っていた。うちも粘り強く戦ったが、終盤は1点が遠かった」と反省の弁を述べた。
指揮官の言葉通り、互いに我慢の展開が多い試合となった。中盤まで点を取っては取られるといったシーソーゲーム。得点後にディフェンスの隙を突かれる場面もあり、思うような試合運びができなかった。
王子は「守備は2失点以内に抑える」という明確な目標を掲げて取り組んでいただけに、最後に集大成を見せることができなかった格好。終盤は栃木日光の運動量が落ちたものの、好機を生かし切れなかった。
菅原監督は「今のアジアリーグは多く点を取るのはなかなか難しい。いかに守って攻撃にリズムをつけていくかが重要」と今後に向けての課題を挙げた。
今季のホームゲームは全日程が終了し、現在3位の王子。リーグ首位サハリンとの勝ち点差は広がっているが、プレーオフセミファイナル(第1ステージ)のホーム開催権を獲得できる2位以上は譲れない。苫小牧での試合は10勝4敗と大きく勝ち越しているだけに、何としてでも苫小牧でプレーオフ開催を―と、強い決意で韓国遠征に挑む。
菅原監督は「苫小牧のファンの声援は大きな力になっているし、やりやすさも感じている。今季取り組んでいることを崩さずやるだけ」と力を込める。DF山田虎太朗は「アウェーでの戦いが続くが、一戦一戦勝利を目指し全力で戦う」と決意をにじませた。