白老のバイオマス燃料化事業が来年3月で廃止、コスト重く継続を断念、施設は解体へ

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  • 2019年12月26日

 白老町は、紙類や廃プラスチックの一般廃棄物を原料に地元製紙工場のボイラー用固形燃料を生産する「バイオマス燃料化事業」を来年3月で廃止する方針を決めた。燃料化施設は2009年4月に稼働を開始したが、問題となった固形燃料の品質が改善できず、今年3月で施設を休止。町は直営から手を引き、民間委託による事業継続も検討したが、コストの重さが障害となって断念し、施設を完全に閉鎖することにした。

 事業廃止方針は、24日の町議会全員協議会で町側が説明した。

 バイオマス燃料化事業は、ごみの資源化や減量化を目的に、家庭などから出る紙や廃プラのごみ(燃料ごみ)、ペットボトルを高温高圧処理技術で固形燃料にし、日本製紙北海道工場白老事業所に売却。その収益で燃料化施設を運営する構想で、14億円を投じて日本製紙北海道工場白老事業所敷地内に「エコリサイクルセンターしらおい」を建設し、国の交付金で生産設備を導入。年間1万1000トンの生産を目指し09年4月に施設を稼働させた。

 ところが、固形燃料の残留塩素濃度が高く、工場の受け入れ基準を超過。品質改善や目標生産量が達成できず、経営的に成り立たなくなり、今年3月、施設の休止に追い込まれた。設備導入に対する国の交付金など約5億円も返還する事態となった。

 町は引き続き、試行錯誤しながら固形燃料の品質改善に当たり、年間2000トンの生産を可能とする実証結果を得たことから、施設の民間委託を検討。しかし、生産量の少なさから、施設全体の運営費を賄うことができず、町の一般財源から年間2600万円程度の持ち出しが必要になるため断念。来年3月で事業を廃止し、施設を完全閉鎖する方針を決めた。

 受け皿を失った燃料ごみなどは現在、苫小牧市の民間固形燃料化施設へ運んで処理しているが、来年4月からは、ごみ広域処理の関係を築いている登別市の廃棄物処理施設へ搬入。燃料ごみは焼却処分し、ペットボトルはリサイクル資源にする。これに伴い、燃料ごみは可燃ごみ(有料回収)扱いとなるが、22年までは暫定的に無料回収を継続する。また、閉鎖した施設は解体する考えだ。

 一方、事業廃止により町に新たな費用負担が発生する。施設解体費で約2億8600万円、施設に保管している固形燃料原料の処分費で約1億円、太陽光発電設備やLED(発光ダイオード)照明、バイオマスボイラーの設備導入費補助金の返還で約2370万円、燃料ごみ処理費で年間約1560万円といった経費が見込まれ、その財源確保が今後の課題となる。

 町議会全員協議会で事業廃止決定に戸田安彦町長は「バイオマス燃料化の事業でこれまで大きな財政負担が生じたことを深く反省したい」と陳謝した。

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