白老町のしらおいイオル事務所チキサニで21、22両日、アイヌ文化の体験教室が開かれ、参加者が伝統の刺しゅうに挑戦した。
一般社団法人白老モシリのイオル(伝統的生活空間)体験交流事業として開催し、女性ら10人が参加。町内のアイヌ文様刺しゅうサークル「チシポの会」(石井シゲ代表)のメンバーが指導に当たった。
参加者は、チセ(家屋)の中でこつこつと針仕事を行う昔のアイヌ民族の女性の姿を思い描きながら、刺しゅうに臨んだ。針と糸でモレウ(緩やかな渦巻き)、アイウシ(とげの形)を基本とした文様の線を布に表現し、2日間かけて名刺入れを制作した。
チキサニではチシポの会メンバーが作ったタペストリーやバッグ、ランチョンマットなど、伝統の刺しゅうを施した布製の作品も展示。同会は毎週1回、町内の高砂生活館で刺しゅうの活動を続けており、石井代表は「伝統文化を受け継ぎ、伝えていきたい」と話していた。