アイスホッケー・アジアリーグの王子イーグルスは21、22の両日、東京都西東京市のダイドードリンコアイスアリーナで東北フリーブレイズと連戦をする。今月上旬に同アリーナで開かれた全日本アイスホッケー選手権後、再開となるリーグ戦。全日本連覇を阻まれた相手だけに、白星で勝ち点を積み上げたい。
アジアリーグでは現在最下位の東北だが、全日本選手権では躍進を見せた。けがで戦線を離れていた主力が復帰したことやハンドリング、シュート精度などの向上もあり、準優勝と健闘した。優勝候補の筆頭に上がっていた王子も底力を出した東北の前に屈し、最終的には3位という結果だった。
王子は、勝負どころで決め切れなかった反省点はあるものの「パワープレーでも決して悪くはない。練習は良い雰囲気でできている。選手同士で良いプレー、悪いプレーについてディスカッションし、修正を図れている」とチームを率いる菅原宣宏監督が話す通り、状態は上向き。19日の練習では攻め出しやセット5人での動きなど入念に確認し、試合に備えた。
現在同リーグで勝ち点38の3位につけている王子。首位のアニャンハルラ(韓国、勝ち点58)、2位サハリン(ロシア、勝ち点53)と差は開いたが、目標はレギュラーリーグ1位。「リーダーシップを発揮する選手が多く、レギュラーリーグの試合も一試合一試合大事に戦えている」と指揮官。一つ一つ成長の足跡は見られているという。
全日本制覇を成し遂げられなかった分、アジアリーグ制覇は何としても達成したい。足踏みはできない―との気持ちを持って戦い抜く決意だ。
菅原監督は「(全日本では)ファンや関係者の期待に応えられず残念な思いをさせた。リーグ戦ではその分を取り返せるようにやっていく」とし、DF今勇輔も「全日本の悔しさをぶつけ、勝ち点を積み重ねる」と意気込む。FW高橋聖二副主将は「セット間のコミュニケーションを取りながら、良い試合運びをしていきたい」と話した。
日本代表男子のユーロアイスホッケーチャレンジが11~14日、ハンガリーのブダペストで行われ、王子から選出された8人がそれぞれ活躍した。代表メンバーは19日までに苫小牧に戻り、チームの練習にも合流。はつらつとした動きを見せる。リーグ制覇に向けたキーパーソンだ。
GK成澤優太は、リーグ戦では出場機会に恵まれていなかったが、代表での試合では好セーブを連発。12日のハンガリーとの第2戦ではゲームベストプレーヤーに輝いた。DF陣から参加した山田虎太朗、橋本僚も守備の脇を固めた。
FWは中島彰吾、越後智哉、高木健太、中屋敷侑史、大澤勇斗が名を連ねた。髙木は韓国との最終戦に2点目となるゴールを決めた。中島、越後、中屋敷も素早い動きなどでチームに貢献した。
中でも大澤は、11日のフランスとの第1戦で2アシストの活躍を見せた。「ユーロチャレンジは、結果としては悔しいものに終わり、自分でも満足はしていない」と振り返る。今季は前戦に立ち、体を張ったプレーなどで得点を奪い、これまでチームトップタイとなる10ゴールを記録した。菅原監督が「痛みにも強くタフな精神力の持ち主。自分の役割を理解しながらプレーできている」と高く評価するように、ポイントゲッターとしての活躍が期待される。
大澤は「今季は五輪予選もある。チームの成長とともに代表の選手としてもスキルを上げていきたい」と話した。