第72回北海道高校アイスホッケー競技選手権大会は14~16日の競技3日間、釧路市内のアイスアリーナを舞台に行われた。全道13チームによるトーナメント戦を制したのは駒大苫小牧。2年連続29回目の栄冠だった。苫小牧工業は3位と健闘。苫小牧東、北海道栄も8強入りし、東胆振勢全チームが来年1月の全国高校総合体育大会(帯広市)切符を獲得する充実した一戦となった。
ひときわ攻守に存在感を見せたのは駒大苫。初陣となった2回戦で、夏の全国選抜大会時に敗れている清水と当たったが、序盤から攻勢を仕掛け9―0と難なく退けると、続く苫工にも81本ものシュートを浴びせ6―0で完封勝ちした。
決勝では、11月下旬の道選抜大会優勝決定戦で5―0と勝利している武修館と再戦した。全校応援を受ける相手ではあったが、ほぼ同数のシュート数だった前回対戦時とは異なり、自陣に到達する前に攻撃の手を摘む伝統の高速プレスが機能。試合終了目前に失点し2―1と競り勝った様相にはなったが、シュート数を各ピリオド1桁、計18本に抑えたのは点差以上に価値があった。
攻撃陣も頼もしさを増している。特にゲームメークにたけたU20日本代表の中島照人(3年)をセンターに据え、山口凌、森田琉稀亜の1年生がウイングを担う第1セット。決勝で先制点を挙げた山口は「ミスしても中島さんたちがカバーしてくれるので、思い切ってプレーできている」と胸を張った。
また、3年生がわずか2人と若い苫工の頑張りも光った。10月の南大会では5校中4位に沈んでいたが、2回戦で同大会2位の苫東を下すなど、試合を経験するごとに「ステップアップしている」と小野崎優監督は目を細める。ただ、駒大苫戦では2年生GK岡本健汰が奮闘したものの、防戦一方の展開に終わった。「個々の技術をワンランク上げないと、インターハイでは上位校と戦えない」と指揮官は指摘した。
苫東は唯一のGK中野朝陽(2年)のけがが響いたものの、2年ぶりの全国挑戦権をつかむことはできた。道栄は、1回戦で地元開催に燃える釧路工業に逆転勝ちし、2年連続のインターハイ出場を確定。続く武修館には0―10と大敗した。次の舞台で巻き返しを期待したい。