【釧路市、北畠授】インターハイ(全国高校総体)切符を懸けた道高校アイスホッケー競技選手権大会最終日は16日、釧路市日本製紙アイスアリーナでトーナメント決勝を行った。駒大苫小牧が2―1で武修館に競り勝ち、大会連覇を見事達成した。
また、苫小牧工業が3位と健闘。苫小牧東と北海道栄も2回戦まで駒を進め、今大会に挑んだ東胆振勢全4チームが来年1月に帯広市で開かれるインターハイの出場権を獲得した。
駒大苫小牧2―1武修館
▽得点者【駒】山口(鎌田、小金澤)鎌田(中島)【武】青山(佐野)▽GK【駒】石川【武】千葉
15日
▽準決勝
駒大苫小牧6―0苫小牧工業
▽得点者【駒】佐々中、上山(橋本)中島(小金澤、今)今(中島)橋本(木村)花田(荒木)▽GK【駒】石川、梯【工】岡本
武修館4―1白樺学園
▽2回戦
駒大苫小牧9―0清
▽得点者【駒】橋本(今、中島)山口(中島)鎌田(三浦、渡辺)橋本(中島、小金澤)森田(中島)中島(橋本、森田)三浦(佐々中、大久保)小金澤(今、橋本)中島(荒木)▽GK【駒】石川、梯【清】中村
苫小牧工業8―4苫小牧東
▽得点者【工】武部(黒須)松井(水橋、小嶌啓)磯島、金山(水橋)金山(小嶌啓)武部(黒須、木下)黒須(磯島、木下)武部(金山、黒須)【東】金井(塚本)芹田(金井、塚本)斉藤(角丸、小形)角丸(小形)▽GK【工】岡本【東】中野
武修館10―0北海道栄
▽得点者【武】岩瀬谷(鈴木、青山)大和、村瀬(西脇、種市)種市(木村、村瀬)木村(村瀬、葛西)青山(大和)堤(佐々木、清水)青山(鈴木)種市(村瀬、西脇)鈴木(青山、岡田)▽GK【武】千葉、渡辺【栄】中村
白樺学園7―0釧路江南
14日
▽1回戦
北海道栄5―1釧路工業
釧路江南28―0帯広農業
ー堅守でつかんだ栄冠
序盤から反則が込み、第2ピリオド10分すぎには一時3対5の数的不利な状況にまでなった駒大苫だったが、持ち前の堅守は崩れなかった。「キーパーを中心によく守った」と桶谷監督が評価する粘りを見せ無失点で切り抜けると、1年生FW山口のゴールなどで試合の主導権を握った。
その後は、前日の準決勝で白樺学園に快勝し勢いに乗る相手の攻め出しを、自陣に到達する前に摘む素早いプレスが機能した。打たれたシュート数はわずか18。「守りの面はだいぶ充実してきた」と鈴木総監督は言う。
ただ、試合時間残り1分45秒に惜しくも失点した部分には「悔いが残る」とDFの要・今副主将(3年)。同じく連覇の懸かるインターハイでは「たった1点が命取りになる」とし、さらに強固な守備構築に意気込んでいた。
―苫工 守護神・岡本 存在感
苫工の2年生守護神・岡本(開成中出身)が存在感を見せた。10月の南大会で出場5校中4位に沈んだ「悔しさをバネにした」と2回戦の苫東戦で58本のシュートを浴びながら粘り強くプレー。同大会準優勝校撃破に貢献すると、約4時間後の駒大苫との準決勝ではさらに81本ものシュートを打たれたが、第2ピリオド以降をそれぞれ最少失点に抑える奮闘を見せた。
「流れの悪い展開でも、前向きにプレーできる」と小野崎監督が評価するハートの強さが持ち味。「自分の緊張をほぐすためと、仲間を盛り上げたい」(岡本)思いで、ひときわゴール前から声を張り上げるムードメーカー的な役割も買って出る。
1年時から各戦で先発マスクをかぶるなど、身長176センチ、体重95キロの恵まれた体格を生かして苫工ゴールに立ちはだかってきた。リバウンドの対応などを全国に向けた課題に挙げ、「仲間を助けるビッグセーブを見せたい」とさらなる進化を誓っていた。
―苫東、苦難乗り越え2年ぶり全国
苫東が不測の事態を乗り越え、2年ぶりのインターハイ切符をつかんだ。大会4日前にチーム唯一のGK中野(2年)が、持病の腰の状態を悪化させた。初戦の釧路連合戦は大事を取って出場を回避。他選手がGK防具を着けてプレーしたが、力の差もあり勝利を収めることができた。
続く苫工戦では中野が痛みを押して先発出場した。本来の動きとは程遠く、リードを許す苦しい展開になったが、FW、DF陣が体を張って何度も相手ゴールを防いだほか、第2ピリオド中盤に連続得点し、一時は1点差に詰め寄る意地も見せた。
「敗戦は想定内。選手たちはよく頑張ってくれた」と田中監督。中野のほかにもけが人が多く、少数精鋭のチームにとって選手のやりくりはより厳しくなっている。今月下旬に完成見込みの学校リンクで「また滑り込んで、体力を付けさせたい」と指揮官は次の舞台を見据えた。