白老町議会の定例会12月会議は12日開会した。会期は17日まで。町の提出議案は、約9690万円追加の2019年度一般会計補正予算案など議案14件と、人権擁護委員推薦への意見を求める諮問2件。
12日の一般質問には広地紀彰(いぶき)、前田博之(きずな)、貮又聖規(みらい)の3氏が登壇した。主な質問と町の答弁は次の通り。
▽広地紀彰氏
―公共交通の充実と利便性向上について。
町「地域循環バス元気号は2017年度の路線・ダイヤ改正でバスを1台増車するなどして18年度の利用者数が前年度比33%伸びた。17年度運行開始のデマンドバスも18年度は前年度比17%の伸びに。来年度についてはアイヌ政策推進交付金を活用してデマンドバス運行の充実を図るほか、白老駅周辺を中心とした観光型バス運行を予定。交通弱者の日常生活の移動手段としてニーズに応じた運行に取り組み、利便性向上を図りたい」
―まち全体の稼ぐ力強化に向けた施策展開について。
町「民族共生象徴空間(ウポポイ)開設効果を最大限に発揮させるためには、社台地区から虎杖浜地区にわたる各地域の資源を活用し、来訪者の回遊性と滞在時間を延ばす取り組みが必要。それが地域の稼ぐ力の強化を図る上でも重要だ。地域観光のかじ取り役を担う白老観光協会が中心となって、町内事業者と共に来訪者ニーズを的確に捉えながら、各種施策を展開していきたい」
▽前田博之氏
―今年度一般会計の収支決算見込みは。
町「歳入は、町税が固定資産税を中心に予算額を7000万円程度上回る見込み。普通交付税も予算額を約6500万円上回る結果となり、さらにふるさと納税も前年とほぼ同額の2億236万3000円の寄付を頂くなど堅調に推移している。一方、歳出は、年度当初に想定していなかった病院会計への操出金5000万円の補正予算を計上したが、今後自然災害の復旧費発生や除雪経費の大幅な増加など突発的支出増がなければ黒字決算となる見込み」
―新年度の予算編成について。
町「歳入については、地方交付税の減少傾向が来年度も続くとともに、町税も過度の増収は期待できない。歳出に関しては、民族共生象徴空間関連事業に一定のめどが付いたものの、観光インフォメーションセンター指定管理業務や、象徴空間周辺施設の維持管理費など新たな支出が見込まれる。このため、来年度についても厳しい予算編成になると考える」
▽貮又聖規氏
―少子高齢化対策の今後の在り方について。
町「白老の少子高齢化は加速度的に進んでおり、2020年以降は生産年齢人口(15~64歳)が老年人口(65歳以上)を下回ると推計している。今後においては、人口減少の抑制に向けた対策や、人口構造の是正に向けた人材誘致・交流施策などに取り組んでいかなければならないと考えている」
―移住推進の住環境施策で空き家の活用、空き家バンク設置の考えは。
町「空き家の活用については観光振興、芸術文化、人口減少対策など多面的な検討を行い、取り組んでいく考え。空き家バンクは、程度の良い空き家の流通性を高め、移住希望者の入居家屋として利用するなど、活用策の一つとなるものと捉えている。町独自の空き家バンクはないが、北海道が管理運営する空き家バンクへの登録を推奨しているところだ」