白老町の2019年度上期(4~9月)の観光入り込み客数は97万9034人で、前年同期比約5万7000人増となり、上期としては3年ぶりに前年を上回った。来年4月開業の民族共生象徴空間(ウポポイ)PR効果で白老町の名が知れ渡り、入り込み増につながった―と町は分析している。
上期の宿泊客数は5万5465人で、前年同期比1万298人増。日帰り客数は92万3569人で、同4万6541人増。宿泊、日帰りを合わせた入り込み数は前年同期を5万6839人上回った。
年度上期の入り込み客数は17年度から2年連続で前年を下回ったものの、今年度は回復。ウポポイPRによる白老町の知名度向上、ウポポイ建設工事関係者の宿泊利用、アイヌ文化への関心の高まりに伴う体験プログラム参加者の増加などが伸びにつながったと、町はみている。
一方、外国人観光客の宿泊客数は4701人で、前年同期に比べ1758人落ち込んだ。訪日外国人の宿泊は18年度まで増加傾向にあったが、一転して約3割減となった。主な国籍は韓国1196人、中国956人、香港481人、台湾466人など。いずれも前年を下回り、中でも韓国は518人減、香港は388人減と、落ち込み幅が大きかった。日韓関係の悪化、香港の政情不安などが背景にあるとみられる。
白老町の年間の観光入り込み客数に関しては近年、減少傾向にある。18年度は150万5404人となり、前年度比で約23万人減った。ポロト温泉、旧アイヌ民族博物館の閉館など、集客施設の営業終了の影響もあって3年連続で減少した。