アイスホッケー日本一を決める、第87回全日本アイスホッケー選手権大会(日本アイスホッケー連盟主催)は6日、西東京市のダイドードリンコアイスアリーナで開幕する。王子イーグルスは関東大学リーグの中央大と対戦する。連覇を目指す大舞台を前に、菅原宣宏監督は「どこが相手だろうとこれまで積み重ねてきたことを出していきたい」と意気込みを見せた。
歴史と伝統を誇る国内最高峰のビッグタイトルを懸けた短期決戦。アジアリーグに参戦する国内4チームと関東、関西の大学リーグ戦上位校、さらに昨季の日ア連会長杯で優勝したダイナックスの8チームが出場し、8日までトーナメントで栄冠を競う。
王子は、直前の試合となったアジアリーグ・サハリンとのアウェー戦で、不運な反則なども重なり1勝2敗と負け越したものの、粘りのホッケーを見せるなど全日本につながる戦いを見せた。故障で欠場していたFW高橋聖二も復帰できる見込みが立つなど、全日本連覇に向けて臨戦態勢は整っている。
指揮官がシーズン当初から常に口にする「先のことではなく目の前の試合を全力で戦っていく」ことが重要な意味を持つ全日本。準決勝で当たる可能性がある東北フリーブレイズにはアジアリーグで4戦全勝している。勝ち進めば、昨年準優勝の栃木日光アイスバックスと決勝で対戦する可能性も。今のところアジアリーグでは1勝2敗と負け越しているだけに、連覇と勝負への強いこだわりと粘りは欠かせない。
一発勝負のトーナメント戦。「勝つか負けるか結果がすべてだ。ミスをしてもどれだけカバーできるかが重要」と指揮官。本番ではチームの団結力が試される。直近の試合では、失点を抑え、ロースコアに持ち込めば勝機がついてくる傾向があるように、守りをしっかり固めることがカギを握る。
前回大会でMVPを獲得したFW百目木政人は「チームとしても個人としても本当に良い状態で来ている。優勝に貢献できるように戦いたい」と話し、DF山下敬史主将も「全員が連覇という同じ目標に向かって全力を尽くしたい」と力を込めた。
全日本選手権にはの社会人チームダイナックスも出場。初戦は栃木日光と対戦する。社会人カテゴリーナンバーワンの意地を見せ付けたい。
組み合わせは別表の通り。
今季、選手体制も大きく変わった王子イーグルス。全日本選手権は、攻守の要を担う今季主将のDF山下敬史、前主将のFW久慈修平の2人が大舞台で躍進のカギを握っている。
久慈は、全日本選手権に悔しい思いがある。主将だった一昨年は優勝にあと一歩届かず、昨年の全日本は主将としてリベンジを果たしたい思いを強く持っていた。しかし大会直前、ホームの東北戦で相手から反則を受けた際に膝を負傷。大会出場に向けて準備を進めたが間に合わず、欠場となったためだ。
代わりにゲームキャプテンとなったのが当時副主将の山下だった。久慈の思いも受けて山下はキャプテンシーを発揮し、全日本制覇の立て役者となった。
二人は今季ともにリーグ戦で好調を維持している。久慈はシーズン序盤、出場できない試合もあったが、出場した試合では得点に絡む活躍を見せ、ここまで4ゴール6アシスト。山下も守りだけではなく、前線に入ってからの攻撃で今季3ゴールを決めている。
新旧主将の活躍が注目される今大会。山下は「チームの状態は良い形できている。一つ一つのプレーを全力でやるだけ」とし、リベンジを期す久慈も「(主将の)『C』のマークに関係なく、自分の役割を果たすだけ」と連覇に向けて力を込めた。